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幻の五大美術館と明治の実業家たち 祥伝社新書407
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 祥伝社 |
発売年月日 | 2015/02/01 |
JAN | 9784396114077 |
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幻の五大美術館と明治の実業家たち
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幻の五大美術館と明治の実業家たち
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「幻の美術館」を構想した、戦前の5人の美術収集家(益田孝(鈍翁)・原富太郎(三渓)・川崎正蔵・松方幸次郎・林忠正)の、美術収集を中心とした小伝。鈍翁は必ず二割値引く、対して三渓は値引かない、などの個性も面白かった。美術品の買い方については、藤田伝三郎や根津嘉一郎も値引かず買う、他...
「幻の美術館」を構想した、戦前の5人の美術収集家(益田孝(鈍翁)・原富太郎(三渓)・川崎正蔵・松方幸次郎・林忠正)の、美術収集を中心とした小伝。鈍翁は必ず二割値引く、対して三渓は値引かない、などの個性も面白かった。美術品の買い方については、藤田伝三郎や根津嘉一郎も値引かず買う、他方大倉喜八郎は半額をさらに二割引くような買い方の人だった、などのところも面白い。 なお「幻の」とはいうものの、川崎正蔵は神戸の布引に日本初の私設美術館「川崎美術館」を1890年(明治23年)に立ち上げている。つまりこの本の「幻」とは「現存しない」の意味合いであり、「実現しなかった」ではないことに注意。 なので現存する私設美術館、例えば大倉喜八郎の大倉集古館、藤田伝三郎の藤田美術館、根津嘉一郎の根津美術館などにもプロローグで触れ、それらと5人とがどのように違ったのかという視点も使い、分かりやすく記述されている。なお、現存する私設美術館としてその外に、岩崎弥太郎・小弥太の静嘉堂文庫美術館、野村徳七の野村美術館、小林一三の逸翁美術館、五島慶太の五島美術館、新しいところでは出光佐三の出光美術館、石橋正二郎のブリヂストン美術館、財閥系では三井の三井記念美術館、住友の泉屋博古館についても名前が挙げられている。 さて、この本は冒頭の5人についての本なのだが、同時代の周辺の美術収集家もしくは愛好家の名も似たようなひとが挙がってくる。井上馨、高橋義雄(箒庵)、八代幸雄、山中定次郎(山中商会)。この辺りの逸話も楽しく読ませてもらった。 参考文献も詳細なので、新書であってもこの本はかなり有用と思う。
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明治の廃仏毀釈によって社寺が有していた日本美術の至宝が売りに出され、それを手に入れたのが明治時代の実業家たち。当初は個人の所有でしたが、現代では美術館の収蔵品となり、私たちの目を楽しませてくれています。最近もサントリー美術館では藤田伝三郎、根津美術館では根津嘉一郎の収集した美術品...
明治の廃仏毀釈によって社寺が有していた日本美術の至宝が売りに出され、それを手に入れたのが明治時代の実業家たち。当初は個人の所有でしたが、現代では美術館の収蔵品となり、私たちの目を楽しませてくれています。最近もサントリー美術館では藤田伝三郎、根津美術館では根津嘉一郎の収集した美術品の展覧会が開催されました。そして、そんな展覧会でいつも名前が挙がるのが益田鈍翁。当時、だれにも負けないコレクションを有していながら、美術館設立には至らず、その収集品は散逸してしまいます。その辺の事情や経緯をたどっていき、「幻の美術館」の姿を夢想する企画です。 取り上げられるのは、益田鈍翁の他に原三渓、川崎正蔵、松方幸次郎、林忠正の5名。日本美術だけでなく、海外で買い集めた西洋絵画も含まれます。想像するだけでうっとりとしてしまう幻の美術館。実現しなかったのは残念だけれど、こうやって一冊の本になったことで彼らも喜んでいるんじゃないかしら。日本美術好きの私にはドストライクの一冊でした。
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