商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2015/02/01 |
JAN | 9784087452839 |
- 書籍
- 文庫
狭小邸宅
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狭小邸宅
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商品レビュー
3.6
98件のお客様レビュー
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面白かった。 いい大学でたのに就活失敗してやりたいことも無くなんとか入った小さな不動産会社に勤める主人公の松尾。でも全然売れない。 向いてないのかと思いきや後々登場する異動先の課長に指摘された通り、できる努力してない。辞めろと言われてもしがみついてる割に何か行動を変えようとはしてない様子は傍から見たらめっちゃイライラすると思う。 この物語は一体何を伝えたかったんやろう? 皆自分にうっすら自信があって何者かになれるはず、何事か成し遂げられるはずという期待をしてるけどそんなもんないんやでってこと? 別にメッセージとかは無いんかな。 最初はブラック企業に勤める主人公がどん底まで落ちて挫折して這い上がって成功でもするのかと思ったけどそうでもなく。 ある程度の成功はあるけど本にするほどの…て感じではない。最後自殺した?しんだ?しんでもいいという気持ちでアクセル踏んだよな。もしかしたら運良く生き延びてるかもしれんけどそれは分からぬまま…。 ただただ不快な人がいっぱい出てきて変にストレスかけられた。笑 スイスイ読めて1時間半くらいで読了。
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友人のおすすめということで借りて読んだ本。友人はNetflixでドラマ「地面師たち」を観て、その作者の本ということで買って読んだらしい。私は「地面師たち」を観ていない。 印象に残っているのは、最後の方で、主人公の客が放った「お前、染まりすぎてるよ」という言葉。 主人公は、最初は不動産業界の、数字至上主義に馴染めず、また結果も出せなかった。それでもパワハラ上司から目をつけられないよう、なんとか仕事をこなしていた。しかし、いくら仕事をこなしても数字が上がることはない。そんな中、異動先の支店の上司に、お前は不動産屋は向いてないと言われる。主人公は自分でも自覚しつつも、むきになって、自分はできるということを示そうとする。ここも面白い。主人公の世代が現れているというか、上司にやめろと言われやめるわけでもなく、散々周りから嘲笑されむかついているのにもかかわらず、それでもなぜか仕事を続けようとする。その根底には、「自分ならできる」という特別感がある。そしてそれも上司に指摘されてしまい、主人公のプライドはぼろぼろになる。 そうして仕事を辞めようとするも、主人公の性格上、当然すんなり辞められるわけはない。なぜなら、自分で納得していないからだ。ではどうするか?彼は1ヶ月だけ、死に物狂いで成果を出そうとし、そしてこれはおそらく偶然なのだが、本当に物件が売れてしまう。そこから結果を出す、数字を残すことの快楽と自信を身に着け、不動産屋が板についていく。つまり、当初は馴染めなかった数字至上主義の不動産屋に、自分自身もなっていたのだった。 しかし、彼は完全にその世界に入り込めているわけではなかった。だから、大学の同期との飲み会で、ささいな発言が、決してそうではないのに自分の仕事に向けられた非難の言葉のように感じられてしまう。だから尚更、むかつくのだ。自分でも分かっているのに、どうすることもできない、そういう図星を言われた気がしたから。それを軽くあしらえるほどの、業界と自分に対する自信はまだ持ち合わせていなかったから。 そして、最後に冒頭の台詞、「お前、染まりすぎてるよ」が放たれる。これを主人公は、そして私たちはどう受け止めたらよいのだろうか。もちろん、この台詞を放った客もまた、なにかに染まっているに違いない。そんなことは、おそらく主人公も、そして私たちも気づいている。しかし、だからといって何かをやめた時に、自分自身に何が残るのだろうか。その先には、「虚無」という恐ろしい現実が待っていると感じられるのではないだろうか。だから私たちは目を逸らそうと努力する。 と、私は思っていた。たしかに、「虚無」は恐ろしい。性格に言えば、自分が何者でもないという現実を知ることが、恐ろしい。だけど、何者でもないことが、自分の存在は意味がないとか虚無であるとか、そういう存在自体を脅かすものではないと読了から少し時間を置いた今は考えられる。つまり、何者である必要もなく、何者でなくてもいいということで、私は私として今ここに存在している。何者ではなくても、私は私自身で、何かはできる。今後は、そういう観点が社会を生き延びる上で必要になってくるのではないだろうか。その良し悪しはひとまず置いといて。
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主人公の気持ちがよくわかります。 OB会に集まる同世代の1人に『人を騙すような仕事なんて自分なら死んでもやらない』と正論打たれるけどその1人も空虚な成長途中の人間で。
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