商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 1973/06/05 |
JAN | 9784103077015 |
- 書籍
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闘(とう)
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闘(とう)
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山中にある結核療養病棟に入院する病人たちとその付添人、医師、看護婦達の悲喜こもごもを、全12章立てで描いた作品。 時代はすでにストレプトマイシンの開発後で、結核が不治の病だった時代からは遠ざかっている。それでも重症患者は手に負えない。治る人も、治らない人もいる。つまり今日の入院風...
山中にある結核療養病棟に入院する病人たちとその付添人、医師、看護婦達の悲喜こもごもを、全12章立てで描いた作品。 時代はすでにストレプトマイシンの開発後で、結核が不治の病だった時代からは遠ざかっている。それでも重症患者は手に負えない。治る人も、治らない人もいる。つまり今日の入院風景と大差はない。 年齢性別様々な登場人物たちは皆ありきたりな人間たちである。心持ちがいいと誰にでも優しくし、機嫌が悪くなると相手を困らせる。看護婦たちも裏で口さがのない噂話を囁き、医師は扱いづらい患者の我儘に宙を仰ぐ。 そんな当然あるべき優しさと憎たらしさの交錯が一編一編の物語を織りなしている。 もちろん悲劇も起こる。多くの場合、それは患者とその肉親とのすれ違いが引き金になっている。家族は社会の現実とやりくりしている。病人はベッドと食べ物を保証されながら病気と闘っている。境遇があまりにも違ってしまった結果相手の心情が理解できなくなり、誤解・摩擦・絶望を生んでしまう。病気を抱えた人の気持ちは当の本人にしかわからない。「早く治りたいな」だけしか思わない患者はいないし、「一緒に頑張ろうね」と献身し続けられる家族もいない。入院による環境の変化は、積み上げてきた人生をあっさりひっくり返しかねない。それだけ病気は恐ろしいし、それだけ人間関係なんて脆いものだ。医師たちはそんな光景をいくつも通り過ぎながら、目の前の患者の治癒を願って奔走し続ける。 幸田文の使う日本語は実に饒舌かつ巧み。書き方を間違えればエグいともとられかれない人間模様を、渋すぎず甘すぎずの塩梅でさらりと描き出す筆さばきが心地よい。
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-谷先生はちゃっこい人ではない。こすく立ちまわって楽をするのと、骨おしみをしない誠実と、どっちをとるかといえば利口より誠実を取ろうとする人柄である- 「結核」という病におかされた、患者とその家族、受け入れる医者や看護士たちの人間模様を通じ、「生きる」という意味の本質をといた作品...
-谷先生はちゃっこい人ではない。こすく立ちまわって楽をするのと、骨おしみをしない誠実と、どっちをとるかといえば利口より誠実を取ろうとする人柄である- 「結核」という病におかされた、患者とその家族、受け入れる医者や看護士たちの人間模様を通じ、「生きる」という意味の本質をといた作品。(因みに、本書は昭和40年に発表されており、結核がまだ死に至る国民病であった時代。) 幸田文の作品の魅力はいろいろあるのだろうが、この作品で改めて思ったのはGAPの妙。言葉選びが古めかしいのに述べている内容はとても現代的。文体は固くてどちらかといえば男性的なのに、描写は女性的な視点の細やかさが目立つ。このGAPからくる違和感につられて引き込まれてしまうし、癖になる。 および、幸田文は自分で経験したことしか書けない、とどこかで述べていた気がしますが、実際、この話も、父露伴はじめ、何人もの病人を看護しおくった経験を踏まえているのだなぁと思う。そのリアリティー感もまたよい。 エッセイや短編だけでない幸田文ワールド、ぜひご体験ください。
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平ら平らと言っても本当はウソがないといけない ただ平らなら定規をあてれば済む。 だが定規通りの平らでも場所によって、明かりに食われる だから紙一重毛筋一本、ウソを乗せたり削ったりするんだ。 全体的に「白」を感じさせる本だと思う。結核患者を専門に扱う病院の中のお話。結核と闘...
平ら平らと言っても本当はウソがないといけない ただ平らなら定規をあてれば済む。 だが定規通りの平らでも場所によって、明かりに食われる だから紙一重毛筋一本、ウソを乗せたり削ったりするんだ。 全体的に「白」を感じさせる本だと思う。結核患者を専門に扱う病院の中のお話。結核と闘って闘って死ぬ人、エリートがエリートとして病生活を送ったりとか、1人1人にスポットを当てて書いてあるから読みやすいとは思います。
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