商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2014/12/01 |
JAN | 9784006003234 |
- 書籍
- 文庫
世界史の構造
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世界史の構造
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商品レビュー
4.2
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柄谷は交換様式の観点から世界史を捉え直そうとしている。 交換様式Aは互酬。歴史的派生態としてネーション。交換様式Bは略奪と再分配。歴史的派生態は国家。交換様式Cは商品交換。その歴史的派生態は資本。交換様式DはX。その歴史的派生態もX。例えば、歴史的にAが主であるとき他は存在して...
柄谷は交換様式の観点から世界史を捉え直そうとしている。 交換様式Aは互酬。歴史的派生態としてネーション。交換様式Bは略奪と再分配。歴史的派生態は国家。交換様式Cは商品交換。その歴史的派生態は資本。交換様式DはX。その歴史的派生態もX。例えば、歴史的にAが主であるとき他は存在していないのではない。その時々で支配的なものが異なる。 Aが支配的な社会は部族社会、Bは国家社会、Cは資本制社会。 交換様式DはBやCによって抑えられていたAの高次元での回復である(368 ページ)。 交換様式Dはカントの「世界共和国」において実現される。ただ「世界共和国」は実現することのない永遠の目標みたいなものとのこと。(373ページ)。 国家を拒否する社会主義(アソシエーショニズム)は交換様式Dにあたり、資本=ネーション=ステイト、ないし自由・平等・友愛を越えることによってしかなされない。(376ページ) 協同組合は労働者自身が労働を連合する。利潤は労働者に分配される。協同組合は労働力商品・資本制を揚棄する志向がある。真の民主主義は政治的なレベルだけではなく経済的なレベルで達成されるべきというプルードンの考えは協同組合工場で実現されている。それは交換様式Dを現実化している。(391-393ページ) 一国内だけではなく、国家間でも、交換様式Aの回復がなされなければならない。それが諸国家連邦、世界共和国。 交換様式Dが何か具体的なイメージができなかった…
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生産形式ではなく交換形式を捉えることで浮かび上がる資本=ネーション=国家のボロメオの輪の史的発展を描く中盤までの議論はトランスクリティークの深化として納得させられる議論だと感じた。 統制的理念として世界共和国へ向かう展望が述べられる後半部については消化不良感が残る。世界共和国の実...
生産形式ではなく交換形式を捉えることで浮かび上がる資本=ネーション=国家のボロメオの輪の史的発展を描く中盤までの議論はトランスクリティークの深化として納得させられる議論だと感じた。 統制的理念として世界共和国へ向かう展望が述べられる後半部については消化不良感が残る。世界共和国の実現という国家連邦レベルの視点での発展とそこに生きる個々人の発展は果たしてつながりうるのだろうか?という疑問が最後まで拭いきれなかった。 とはいえ、資本主義をより深く捉えるためには必読と言える本だと感じた。
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「交換様式」から世界史を見つめ直す。 主に、カント、ヘーゲル、マルクスの史観と著者の新しい視点を比較しながら、これまでの世界史の流れを再構築し再解釈されていく。 25歳の誕生日に出会った本だが、もう少し早く読みたかった。でも、いつだって今日が1番若いのだから大人になってからこの本...
「交換様式」から世界史を見つめ直す。 主に、カント、ヘーゲル、マルクスの史観と著者の新しい視点を比較しながら、これまでの世界史の流れを再構築し再解釈されていく。 25歳の誕生日に出会った本だが、もう少し早く読みたかった。でも、いつだって今日が1番若いのだから大人になってからこの本に出会った意味を考えて、今後の人生に投影していきたい。 私に影響を与えてくれたのは、本の中身ではなくこの本との出会い方なのかもしれないが、私の人生にとってとても大事な1冊となった。
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