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黄金時代
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黄金時代

ミハル・アイヴァス(著者), 阿部賢一(訳者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社
発売年月日 2014/11/01
JAN 9784309206653

黄金時代

¥2,970

商品レビュー

4.1

11件のお客様レビュー

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2024/11/28

好きだった書評家の方が薦めていて、フラヌール書店で半額だったので。カーボベルデとカナリア諸島の間に位置する、名もなき島の独特な習俗と価値観、そして一冊の「本」について。前半と後半の趣きが異なり戸惑ったがどちらも大いに楽しめた。 前半は島の滞在録。滝の流れの中に作られ、滴る水の音...

好きだった書評家の方が薦めていて、フラヌール書店で半額だったので。カーボベルデとカナリア諸島の間に位置する、名もなき島の独特な習俗と価値観、そして一冊の「本」について。前半と後半の趣きが異なり戸惑ったがどちらも大いに楽しめた。 前半は島の滞在録。滝の流れの中に作られ、滴る水の音や輝きが愛でられる「上の町」、かつての征服者の面影が砂と消えた「下の町」。それぞれの町に住む島民達は隠された王の統治の下、時を香りで刻み、染みを分類し、駒も盤も失われゆく遊戯に興じる。彼らは終始拡張し、溶け、混じり合う無形の世界を愛する。何かを抽出し、誇張し、境界を設け、無形から有形を作り出すことに腐心する我々とは大違いだ。ゲシュタルト崩壊を「崩壊」とは見做さず、あるがまま受け入れる島民たちが末恐ろしい。侵略者が膝を屈したのも納得。自分の常識が崩れ足元が不安定になるようなこの感覚はクラリッセ・リスペクトールの『G・Hの受難』以来かも。 後半は住民が共有する一冊の「本」に焦点が当たる。その本は様々な人の手に渡りながら加筆と修正が繰り返され、絶えず変化する。蛇腹折になったページが様々なポケットに畳み込まれ、文字通りテクストの中にテクストが存在し、さらにそのテクストの中にテクストが生まれ、主線も伏線もない物語が無限に増殖していく。本書の別の部分でも語られる、中心がない絵、延々と拡大し続けられる絵画のよう。この本には絵画や映画、彫刻など、様々な芸術が登場するが、島民の本がそんな芸術の恒久性と普遍性を嘲笑したものである、という皮肉も面白い。 異国の紀行文として読むもよし、民俗学者の報告書として読むもよし、派生し変容する過程を楽しむ幻想文学として読むもよし。カテゴライズは出来ない、素晴らしく面白い一冊だった。 「芸術という形は無形の信念の前に立ちはだかり、芸術の音は沈黙の音楽を遮断してしまう」

Posted by ブクログ

2024/07/26

前半は正直退屈だった。 後半の『本』の話になった途端、面白くなった。 全部これでも良いかもと思える内容。 千夜一夜物語風なの納得。

Posted by ブクログ

2016/11/08

増殖を繰り返すが根源には無への志向を孕んだ本。 自由に書き足し書き換え可能とはつまりwikipediaのことだ。 こういうアイデアは決して新機軸ではなく、むしろ古いくらいだ。 だから少しだけ退屈を感じてしまったのは正直な感想。 しかし読後、他の本になかなか移れず、細部を思い出し...

増殖を繰り返すが根源には無への志向を孕んだ本。 自由に書き足し書き換え可能とはつまりwikipediaのことだ。 こういうアイデアは決して新機軸ではなく、むしろ古いくらいだ。 だから少しだけ退屈を感じてしまったのは正直な感想。 しかし読後、他の本になかなか移れず、細部を思い出してしまう。 結局すぐに再読して、細かなストーリーを抜き書きしてしまった。 つまりは魅力的な読書体験となった。 前半、文化人類学的に島民の生活を描いた上で、後半にその本の話に移行するからこそ、幻想味が備わる。 構成の妙。 千夜一夜物語、イタロ・カルヴィーノ、スティーブン・ミルハウザー、ミヒャエル・エンデ、ガルシア=マルケス、レーモン・ルーセル、ソシュール、マラルメ、スウィフト、レヴィ=ストロース、もちろんボルヘス。 他の人の感想を拾うといろいろな先行作家の名前が挙がるが、個人的にはここに、ミケランジェロ・アントニオーニ「欲望」(フリオ・コルタサル「悪魔の涎」)を足しておきたい。

Posted by ブクログ

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