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湯浅泰雄全集(3) 西洋精神史 Ⅰ
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 白亜書房/ビイング・ネット・プレス |
発売年月日 | 2002/12/01 |
JAN | 9784904117828 |
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湯浅泰雄全集(3)
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『ユングとキリスト教』(人文書院、講談社学術文庫)と、5編の論考を収録しています。 著者は、『旧約聖書』の「ヨブ記」やグノーシス主義に関するユングの研究を参照しながら、ヨーロッパ精神史における「メタ・フィジカ」と「メタ・プシキカ」の関連についての考察を展開しています。「メタ・プ...
『ユングとキリスト教』(人文書院、講談社学術文庫)と、5編の論考を収録しています。 著者は、『旧約聖書』の「ヨブ記」やグノーシス主義に関するユングの研究を参照しながら、ヨーロッパ精神史における「メタ・フィジカ」と「メタ・プシキカ」の関連についての考察を展開しています。「メタ・プシキカ」というのは著者の造語で、「メタ・フィジカ」が「自然」の彼岸をめざす形而上学であるのに対し、「メタ・プシキカ」は人間の内面的な「魂」の根柢を探究する営みを意味しています。そして著者は、キリスト教の正統が悪を善の欠如とすることで、善と悪にまつわる実践的な問題を、形而上学的な次元で解消してしまったと主張し、キリスト教のなかで抑圧された異教的な教えのなかに、理性と情念、あるいは精神と身体の分断を乗り越える道をさぐっています。 気になったのは、著者がキリスト教や西洋哲学の主流をなす理性の偏重を乗り越えようとするさいに、理性と情念の直接的な融合が、やや無造作に想定されているのではないか、という点です。たとえば西洋の精神史においても、エックハルトやゾイゼらのドイツ神秘主義やシェリングの哲学などを考えてみるならば、理性と情念の直接的な融合をめざすのではなく、理性の「根底」に向けての探究が、「無底」といういっそう深い次元を見いだすことになったのではないでしょうか。著者が空海の生命論的な思想を重視して、禅や浄土思想についてあまり目を向けようとしていないことにも、同様の問題が示されているような気がします。
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