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すべて真夜中の恋人たち 講談社文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 講談社 |
| 発売年月日 | 2014/10/15 |
| JAN | 9784062779401 |
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すべて真夜中の恋人たち
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人から勧められたままに生きる冬子。 自分で決めて、行動したい、人まかせというものを 受けつけられない人間なの、という聖。 高校の同級生の水野くんは 「与えられたものを、どれだけ捨てられるかが 大事だと思うんだ。みんな、退屈と停滞を 平和とか安心なんかと取り違えてるんだよ。 だか...
人から勧められたままに生きる冬子。 自分で決めて、行動したい、人まかせというものを 受けつけられない人間なの、という聖。 高校の同級生の水野くんは 「与えられたものを、どれだけ捨てられるかが 大事だと思うんだ。みんな、退屈と停滞を 平和とか安心なんかと取り違えてるんだよ。 だから僕はここを出て、自分で選んだものだけで 生きるのさ」という。 水野くんは、聖に似ている。 そして冬子は、二人ともに 「君を見てるといらいらする」と言われてしまう。 冬子のように、ぼうっと生きていることや、 (少なくとも周りからは楽に見える) 傷付くことを避けて生きること、 誰のことも求めず求められもしない生き方は 本当に楽なのか。冬子自身「それは楽なの?」と あまり、ぴんときてなさそう。 むしろ、 そのことで人一倍苦しんでいるように感じる。 ひとりぼっちが寂しいと思っている。 少なくとも聖の「そういう生き方が好きなんでしょ」 は、言い過ぎかな。聖が頑張り屋すぎて、 どうしても頑張れない冬子のような人を見ると、 やきもきするんだろう。 カルチャーセンターで出会った三束さん。 高校の物理の教師をしているという。 酔っ払った状態でしか 外へ出かけられなくなっていた冬子に対して、 途惑う様子を見せずに優しく接してくれた。 決まった曜日に喫茶店で会うようになった二人だが 沈黙と、短いやり取りの繰り返し。 生徒と差別化するためにと、 名前で呼んでくれた辺りから距離が縮まったかな? 199ページ、三束さんの服とか髪とか唇とか、 目のわきの傷跡とか細部をたくさん思い出していて、 自分の五感がすべて三束さんでいっぱいなんだって 伝わってくる印象的な文章だった。 三束さんからもらったショパンの子守歌を 一日中聞いているという場面、 「ひとつひとつの音の輝きをそっと撫で、 それを連ねて首飾りに、 その光の輪を何度も何度もくぐり抜け、 深呼吸すれば身体が内側からしずかに光り、 吐く息は光の粉にふちどられている」 とにかく世界のすべてが光でできている!と 感じられる描写が印象に残った。 私と寝たいと思ったことは、ありますか? 三束さんは、はい、と答えた。 冬子は三束さんのその言葉を頭の中でぐるぐると 繰り返していた。自分でも思いがけないことを 言ってしまって、嬉しいより動転してる? 三束さんの誕生日のお祝いで食事をした帰り、 愛していると伝えた。伝えた瞬間なみだが溢れて 三束さんの手を握ったまま泣き続けた。 これが最後だと悟った、なみだだったのかな。 頭のてっぺんに乗せられた三束さんの手と肯きが、 告白の答えだと思いたい。 結局、真夜中の散歩の約束は果たされなかったけど。 ぼろぼろで帰った家の前で、聖が待ち構えていた。 苛立つ聖は本音をぶちまけて、冬子が泣いて 聖も泣いて、あなたのことをもっと知りたい、 友達になりたいと訴える。 いつも意地悪になって、いつもだめにしてしまう、 と顔をぐしゃぐしゃにして言う聖。 「あなたみたいにみんなが強いわけじゃないのよ」 と、周りから言われるたび 聖はどんな気持ちだったのか。 「鈍さからくる発言や考え方」を受けて、 傷付くこともあったんだろうと思う。 この喧嘩?の後からは、 本当の意味で仲良くなっていてほっとした。 冬子はもうひとりぼっちじゃない。 目のわきの傷跡は、 食品工場の職を失ったことと関係ある? 特に意味はないのかな。 三束さん、物理の先生って嘘だったの、 驚き!会話が弾まなかったのは、大きい嘘を ずっとついていたからだったのかな。 それでも、冬子に光を教えてくれたことに かわりはない。
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・「わたしたちはお互いにお互いを構成するものをすこしずつ交換しながら、わたしは三束さんの記憶につまさきをそっと入れていく思いだった。」 ・「もうずいぶん長いあいだ、わたしはいつもひとりきりだったのだから、これ以上はひとりきりになんてなれないことを知っているつもりでいたのに、わたし...
・「わたしたちはお互いにお互いを構成するものをすこしずつ交換しながら、わたしは三束さんの記憶につまさきをそっと入れていく思いだった。」 ・「もうずいぶん長いあいだ、わたしはいつもひとりきりだったのだから、これ以上はひとりきりになんてなれないことを知っているつもりでいたのに、わたしはそこで、ほんとうにひとりきりだった。」 ・「ただわたしは、あなただって皮一枚めくったらそのへんのどこにでも転がってるお粗末な欲望でぐちゃぐちゃなくせに、自分がそれをできないからって、ごまかして都合のいい物語をくっつけてうっとりしているのをみるとむかつくってだけの話よ。」
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もう少し早く読めば理解できたあの時の気持ちもたくさんあったのだろう。 読みながら傷つけられ、いつの間にか優しく包み込まれている。そんな作品に感じた。
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