群衆の智慧 角川EPUB選書014

ジェームズスロウィッキー(著者), 小高尚子(訳者)

• 販売会社／発売会社: KADOKAWA
• 発売年月日: 2014/10/01
• JAN: 9784040800110

商品レビュー

2023/07/16

群衆が個人よりも優れた判断を行うという事例・論理が明確に示されています。
「集合的にベストな意思決定は意見の相違や異議から生まれるのであって、決して合意や妥協から生まれるのではないから、多様性と独立性は重要だ」というのは意識しておきたいなと思いました。

2022/12/02

群集心理と対になる本。
少数の精鋭より多様性の中での平均がより良い結果になるよ、とか、それを満たすにも条件があるよ、とか。

2021/03/21

「群衆は愚か」とよくいうけど実はそうではないよ．
群衆が下す意思決定は概ね正しいことが多いよ
という本．

ケーススタディの引用が多い．
理論的に証明するのが難しいテーマであり経験的に示すしかないからというのはわかるが，なかなか理解するのが大変な主張だと思った．

・「協力の基礎にあるのは信頼ではなく、関係の永続性」
・集団は集団の中の賢い人よりも本当に賢い

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「創発　蟻　脳」

多様性/独立性/分散性/集約性

情報カスケード

”分散性が抱える決定的な問題は，システムの一部が発見した貴重な情報が必ずしもシステム全体に伝わらない点にある”→情報処理（決済）を参加者で同意し合うブロックチェーンっ本当にすごいな．

”チェスの名人はチェスを知っているだけだ．”
”私たちは一つの知的分野に長けている人は他の分野にも長けていると思いがち”

専門性の誤謬　といってもいいかもしれない．専門的であることは必ずしも正確であるとは限らない
さらに専門家は過信しがち（自分は当てられるという思い込みが強い）

”最低限の専門知識以上の専門性は予測にはほとんど役に立たない”　＝　預言者は存在しない

たくさんの人が何かをしたり信じたりするのは何か根拠があるはずだと思い込む人間の性向

均質的な組織→まとまりが強い＝依存．外部の意見を受け例ない．自分たちが正しい．

認知：ある時点でのある値を予測する．牛の体重
調整：参加者同士で調整をする．交通渋滞
強調：利己的な参加者同士が連携する仕組み

個人よりも群衆が優れているのは
個々の予測値の平均値と真値の誤差が
個々の予測値と真値との誤差の平均よりも多いということ…?
ー＞「集合知定理」と関連がありそう
https://www.wakuwaku-catch.net/report%E5%85%A8%E5%9B%BD%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%83%85%E5%A0%B1%E6%95%99%E8%82%B2%E7%A0%94%E7%A9%B6%E4%BC%9A%E5%85%A8%E5%9B%BD%E5%A4%A7%E4%BC%9A/%E8%AC%9B%E6%BC%94-%E8%A5%BF%E5%9E%A3%E9%80%9A%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E5%A4%A7%E5%90%8D%E8%AA%89%E6%95%99%E6%8E%883/

ジェリービーンズ実験
＝瓶に入ったジェリービーンズの数を予測．56人の学生が参加．平均の誤差未満の予測をした学生はわずか一人．
ー＞その一人を当てる場合を除き意思決定を集団に委ねたほうが良い．
ー＞その道の”専門家”も誤りを犯す

特定個人が常に集団よりも良い予想ができたことは実験的に確認されていない．

なぜ株価（群衆の知恵）は責任ある企業をあてられたのか
ー＞意見の多様性/独立性/分散性/集約性という特徴を満たしていたかららしい

群衆が優れていた事例は，百万あるケースからそれが当てはまる数ケースを取ってきた可能性も否めない．鵜呑みにできない
・ロケット爆発ー＞原因が分かっていなかったのに爆発の責任があった企業の株価が暴落．
・牛の重さあてクイズ
・潜水艦の沈没場所推測

ブラックスワンか反脆弱性で読んだ
平均の関数と関数の平均の違いと何か通じるものがありそう…?

Googleの検索アルゴリズムも群衆の知恵．
サイトAからのBはBに対するAの投票．A自身の重みもつけた加重平均でスコア付．

選挙結果にベッドするギャンブルー＞世論調査よりも高い角度，僅かな誤差で結果を予測．

群衆の叡智はコロナみたいなブラックスワン事象に対して何かできるんだろうか．

鳥の群れ、魚の群れ
ここのプレイヤーの一定ルール、行動がまとまりをもつ。自己組織化

最後通牒ゲーム
公平さが個人の経済的合理性に勝る