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花冠の志士 新装版 小説 久坂玄瑞 文春文庫
726円
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2014/09/01 |
JAN | 9784167901820 |
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花冠の志士 新装版
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花冠の志士 新装版
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商品レビュー
4.1
9件のお客様レビュー
幕末と言えば!な本を久しぶりに読んでみた なんかビジネス書とか神格化されがちだな~と 前からちょっと毛嫌いしていた久坂玄瑞。 だけど読んでみたらスッキリ。 こういう人間臭さがとても良い(良くも悪くも) 幕末の世に25年の生涯を華々しく散ったといえば聞こえはいいが 吉田松陰とのやり...
幕末と言えば!な本を久しぶりに読んでみた なんかビジネス書とか神格化されがちだな~と 前からちょっと毛嫌いしていた久坂玄瑞。 だけど読んでみたらスッキリ。 こういう人間臭さがとても良い(良くも悪くも) 幕末の世に25年の生涯を華々しく散ったといえば聞こえはいいが 吉田松陰とのやりとりが一番面白かった でも見込まれたから結果的に、吉田松陰の妹と結婚したしとかも思うけど… それはさておき。 今の吉田松陰の神格化も、たぶん久坂玄瑞がいなかったらここまでなかったと思う そして最後まで意思を受け継いで行ったのであろうとも。 相当なキレ者だと思うし、これは久坂玄瑞様様じゃないかと NHK大河ドラマ「花燃ゆ」は全く見ていなかったけど むしろ久坂玄瑞主役で大河ドラマ作った方がよいのでは、なんて。
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・「事機の去来は影の如く、響きの如く変転する。往昔の死例をとって、こんにちの活変を制しようなど笑止の沙汰だ。思慮粗浅とはこのことをいうのである。事を論ずるには、おのれの立場から見を起こせ。換言すれば、着実であれということだ」(玄瑞からの最初の書状に対する松陰の返書)
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
久坂玄瑞って、怖いと思っていた。 なんであそこまで狂信的に攘夷を叫ぶのか。 その、イっちゃった感が、すごく怖い。 15歳の時、母を亡くした。 そして、20歳年上の兄も、その年に亡くした。 黒船来航に浮足立ったその時代、藩は久坂玄瑞の兄、玄機に海防策の立案を命じた。 病床にいた玄機は、病を押して海防検索の執筆に取りかかり、徹夜すること数日、筆を握ったまま絶命したのだった。 気落ちした父は、そのたった一週間後にあっけなく亡くなった。 玄瑞が家族を黒船に殺されたと、生涯思い続けたかどうかはわからないが、徹底した攘夷思想は、そこから生まれたものなのかもしれない。 そして、読書のシンクロ、こちらにもありました。 九州を遊歴の旅に出た折、博多湾で元寇の古戦場を訪ねる玄瑞。 “米使ハリスなどは、北条時宗の故事にならって斬ってしまえ” 家族を喪った15歳から、たった10年しか生きなかった玄瑞。 異国に対する憎悪をぎゅっと抱え込んで生きてきたのだろう。 さて、久坂玄瑞が主人公のこの作品だが、吉田松陰が出てくると主人公といえども霞んでしまう。 それほど圧倒的な存在感なのである。 けれど、吉田松陰の残念なところは、清濁を併せ呑むことがなかったこと。 それができていれば、もう少し長く生きることができただろうし、攘夷に逸る松下村塾の塾生たちを落ち着かせることもできて、もっと穏やかに時代が変わったのではないかと思うのだけど。 松陰が謹慎したり牢に入ったりして、自由に世の中を見ることができなかった焦りが、彼らに火をつけたともいえるし。 松陰亡き後の長州藩士たちは、雪崩を打つように急進的尊王攘夷へと進んでいく。 玄瑞は、肝心の孝明天皇の攘夷発言はただの異国嫌いなだけで、実際は幕府を頼りにしているし、攘夷なんて思ってないってことに気づくが、もう流れを止めることはできない。 目的のためなら手段を選ばない長州のやり口は嫌いなんだけど、15歳から25歳までの玄瑞の生きざまを読んで、なんだか切なくなった。 曇りのない目で世の中を見ることができたなら、彼はどんな人生を送ったのだろう。 やっぱり攘夷を叫んだだろうか。
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