商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2014/07/09 |
JAN | 9784120046278 |
- 書籍
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「肌色」の憂鬱
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「肌色」の憂鬱
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商品レビュー
3.5
4件のお客様レビュー
タイトル通り、日本人がなんとなく拭えない「人種意識」、特に白人に対する劣等感がどこから来るのかについて、明治以降の近代化方針から戦後の占領期までの期間、国のリーダーや知識人だった人々の体験を通じ、考察するもの。明治維新以降、いわゆる脱亜入欧・世界の一等国を目指した日本であるが、客...
タイトル通り、日本人がなんとなく拭えない「人種意識」、特に白人に対する劣等感がどこから来るのかについて、明治以降の近代化方針から戦後の占領期までの期間、国のリーダーや知識人だった人々の体験を通じ、考察するもの。明治維新以降、いわゆる脱亜入欧・世界の一等国を目指した日本であるが、客観的な国力の差、科学力の差、欧米が共通して持つキリスト教的価値観の無さなどから、国のリーダーや欧米に留学するような知識人は、所詮は二流国という諦観、卑屈な感情を持つこととなり、教育等を通じて次第に国民にも浸透していく。その鬱屈した感情が、他のアジア諸国への偏見につながり、第二次大戦の遠因ともなる。敗戦後、日本にやってきたのはたくましい肉体と豊富な物資を有する白人等であり、それまで外国人を見たことがなかった大多数の日本人に、力の差を見せつける。否定しきれないこの感情の起源を知ることができとても参考になった。
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白人への劣等感が凄いっていう話。 前半部分は興味深く読めたけど、日本人は「白人の肌の色や体格容姿に憧れて、自らを自己醜悪視した」という話の具体例がほぼ最後まで書いてあって、「◯章でも触れたが」「幾度も論じてきたとおり」と同じエピソードや文章が多く、390ページあるけど前半分と終...
白人への劣等感が凄いっていう話。 前半部分は興味深く読めたけど、日本人は「白人の肌の色や体格容姿に憧れて、自らを自己醜悪視した」という話の具体例がほぼ最後まで書いてあって、「◯章でも触れたが」「幾度も論じてきたとおり」と同じエピソードや文章が多く、390ページあるけど前半分と終章で充分だったなーと思った。 稲田周之助「人種問題の過去及び将来(白人の憂患)」 人種問題とは人類学や人種学など「人種の種族の異同を論じるものではなく、「専ら其時其処に於ける関係者の心理状態に基づいて発動」される「所謂人種感想Race Consciousnessなるもの」に尽き、「人種感想なるものは常に物理及び数理の外にあり。」
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「肌色」ってどんな色でしょうか?おそらく日本では、〝日本人〟の肌の色をイメージされることが多いことでしょう。それは「白色」でもなければ「黄色」でもない、曖昧な位置を占めているように思われます。この曖昧さに象徴される屈折した心性を本書は巧みに描いています。 明治以降、日本は「西洋...
「肌色」ってどんな色でしょうか?おそらく日本では、〝日本人〟の肌の色をイメージされることが多いことでしょう。それは「白色」でもなければ「黄色」でもない、曖昧な位置を占めているように思われます。この曖昧さに象徴される屈折した心性を本書は巧みに描いています。 明治以降、日本は「西洋化」を追求してきました。日露戦争後は唯一の非西洋として列強に名を連ね、「文明」を獲得した「一等国」として国家的自尊心を肥大化させていきました。だが、悦に入るのも束の間、黄禍論の昂揚や排日移民法制定(米国)といった人種的排除に直面します。西洋と非西洋を分かつ可視的媒体として、身体の特徴(肌の色)が強く意識されたのです。本書では、肌の色という宿命的差異をめぐる憂鬱の系譜が辿られています。明治から戦後にかけてのエリート層の心性が垣間見られることでしょう。 「日本人離れした」という褒め言葉は今でも時折耳にします。本書が描く憂鬱が尾を引いているのでしょうか――。「グローバル」や「国際」が喧伝される今、多くの人に手に取ってもらいたい一冊です。 (ラーニング・アドバイザー/国際 OYAMA) ▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1617302
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