家康、真骨頂 「狸おやじ」のすすめ

小林一哉(著者)

• 販売会社／発売会社: 平凡社
• 発売年月日: 2014/05/26
• JAN: 9784582468168

商品レビュー

2023/09/11

徳川家康を再評価する歴史書である。家康は歴史上の人物として人気が乏しいが、明治時代の薩長史観の影響がある。家康はもっと評価される存在であった。NHK大河ドラマ『どうする家康』の予習になる。

家康の美点は信長や秀吉と比べて全知全能感が宿らなかったこととする（132頁）。確かに信長や秀吉よりは優れている。しかし、家康も晩年は大久保忠隣を冤罪で改易させている。

家康は健全な消費者感覚があった。「秀吉のように成金趣味的な散財を繰り返していたならば、江戸幕府はすぐに破綻していたはずである」（152頁以下）。また、飽食しなかったために長生きした。

本書は慶安事件にも触れている。慶安事件は冤罪であった。由比正雪の活動は紀州藩主・頼宣を将軍職に推挙するための政治運動であった。幼い将軍家綱を擁立していた保科正之や松平信綱にとって都合の悪いものであったため、倒幕を企てた反逆者として扱われた。慶安事件を描いた時代劇では頼宣を黒幕のように描くが、まさに黒幕となる。

2015/09/06

表紙にもあるが精悍な家康像に驚く。
大衆的な人気は希薄だが、この本にある通り偉大な人物であるように思われる。

2014/07/05

いまいち庶民に人気がない（そうなの？）家康の功績、人柄を紹介しています。
筆者は家康の実績を高く評価しています。