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丸山圭三郎著作集(1) ソシュールの思想
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丸山圭三郎著作集(1) ソシュールの思想

丸山圭三郎【著】

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丸山圭三郎著作集(1) ソシュールの思想

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2014/03/27
JAN 9784000286916

丸山圭三郎著作集(1)

¥4,840

商品レビュー

4.7

3件のお客様レビュー

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2022/07/21

言語や社会、世界を考える上で、コペルニクス的な発想転換を体験できる、重力感が半端ない名品。現代でも間違いなく必読書だといえる。 かつて日本で、各地のガードレールに「謎の金属片」があるとニュースになった。でもこれは、もともとあったもので、「謎の金属片」というコトバ・区切りが突如で...

言語や社会、世界を考える上で、コペルニクス的な発想転換を体験できる、重力感が半端ない名品。現代でも間違いなく必読書だといえる。 かつて日本で、各地のガードレールに「謎の金属片」があるとニュースになった。でもこれは、もともとあったもので、「謎の金属片」というコトバ・区切りが突如できたために、各地に同時多発的に「発生」したかに見えただけのことだった。事物があるのではなく、コトバが先にあるという、いい例だ。 これを本書の丸山≑ソシュール風にいえばこうなる。 「言語に先立つ観念はなく、言語以前には、何一つ明瞭に識別されない」(p133) その言語の中には、差異しかない。これも重要なポイント。これも丸山の説明は分かりやすい。 「ドそれ自体は何の意味もない、でもドはレではなくレはミではない。この音階でメロディを生みだすと、意味が生まれる」(p157) 虹はいくつの色でできているか。日本は7だが英語は6だという。このように、言語はその社会の共通体験、概念の構造化。「一つの世界像」(p132)。きっと、アイヌ語話者の体験する北海道の冬は、何段階にも分かれていて奥深いことだろう。 本書で展開される議論は、単なる言葉遊びではなく、現実に役立つ武器にもなる。特に「共時」「通時」の視点は有効だ。 共時=一定時期の言葉の意味を、ほかとの関係で探る 通時=ある言葉の意味や変遷を歴史的に探る この二つの区別はとても重要だと思う。 プロジェクトを議論しているときに、ついつい「本来はわが社は~であるべきだ」と主張したがるオジサンがいる(通時)。しかし、現状の他業者との相対的な関係的な戦略(共時)を踏まえないと、本来もくそもなく敗北するだろう。これは非常に有益な発想だ。

Posted by ブクログ

2021/01/02

著作集になる前のもので読みました。 「講義」だけでは読み解くことが難しい、思考の過程や、ソシュール思想の根底に流れていた哲学的な問題意識、その実践的領域まで丁寧に書かれていました。本当に素晴らしい著作です。おすすめです。

Posted by ブクログ

2017/01/12

ソシュールの言語理論を原資料に基づいて解明した記念碑的著作である『ソシュールの思想』を収録しています。 この本のなかで著者は、ソシュールの思想の実像を再現し、言語がなんらかの実体に基づいているという発想を徹底してしりぞけるところにその核心を見いだそうとしています。言語は心理的な...

ソシュールの言語理論を原資料に基づいて解明した記念碑的著作である『ソシュールの思想』を収録しています。 この本のなかで著者は、ソシュールの思想の実像を再現し、言語がなんらかの実体に基づいているという発想を徹底してしりぞけるところにその核心を見いだそうとしています。言語は心理的な、あるいは物理的な根拠をもっておらず、一つひとつの語の意味は、体系内での示差的関係のなかで決定されます。ソシュールは、言語の根拠を自然的実在のうちに見いだそうとする「言語名称目録観」のような経験主義を批判するとともに、言語の根拠を心理的な実在としての観念に求め、言語はその外的な意匠にすぎないと考える主知主義の立場をも批判します。ソシュールは言語の恣意性を明らかにするとともに、このような立場に立脚することで、自然に依存しない記号についての学である記号学の構想を打ち立てようとしたのだと著者は主張します。 こうしたソシュールの言語理解に立つとき、人間が言語をあやつる能力は、みずから関係の網をつくり出すとともに、関係内の差異によって対立を作り出すことで各項の意味を産出する活動でもあると考えられます。記号の体系は自然のうちに根拠を持たず、言語活動の実践のなかでしか維持されないのであれば、言語活動の現場でおこなわれているのは、既成の意味の受けわたしではなく、既成の記号のブリコラージュによるあらたな意味の産出であるということができます。こうした言語活動への関心が、ソシュールを神話研究やアナグラム研究へと突き動かしたと著者は考え、さらにその根本的な発想がメルロ=ポンティによって継承されたとする展望を開いています。 ソシュールの原資料に基づく文献学的な研究にとどまらず、後の『文化のフェティシズム』(勁草書房)や『欲動』(弘文堂)で展開されることになる著者自身の思想へとつながるような視点がすでに示されており、そうした面からも興味深く読みました。

Posted by ブクログ

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