商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 潮出版社 |
発売年月日 | 2014/04/05 |
JAN | 9784267019753 |
- 書籍
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未完の憲法
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未完の憲法
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商品レビュー
4.5
11件のお客様レビュー
「憲法」の本を学生時代ぶりに手にとって読みました。いちおう、法学部出身だったので勉強したことはありますが、社会に出てからというものニュースや各種メディア媒体で「憲法」「合憲・違憲」という言葉を目にし、耳にしても、どことなく意識の外だったように思います。 それが意識の中に入ってきた...
「憲法」の本を学生時代ぶりに手にとって読みました。いちおう、法学部出身だったので勉強したことはありますが、社会に出てからというものニュースや各種メディア媒体で「憲法」「合憲・違憲」という言葉を目にし、耳にしても、どことなく意識の外だったように思います。 それが意識の中に入ってきたのは本書の中でも触れられている「9条」「96条」の問題で改憲論争が出てきた頃でしょうか。それでも学生時代のように勉強して、この問題について考察してみようとまでにはならなかった。今では悔いの残る出来事ではあります。 あとがきで奥平さんが言われているように「憲法の入門書」という位置づけでとても分かりやすく、読みやすく、それ故に自分で取り上げられていることについて考えながら読み進められた。ただ読む、理解しようとする(理解が追い付かない)ではなく、自分なりに咀嚼しながら読めるところがポイントではないでしょうか。 ひとえに、奥平さんと木村さんの力量?読者のところまで下りてきてくださっている姿勢に感謝です。 最後の方で述べられているように、日々報じられる出来事を通して憲法というものを考え、勉強していきたいと決意させられました。
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2013年は改憲論議に対する世間一般の注目が高まった1年だった。改憲、といったときに注目すべきはそもそも憲法とは何のためにあるか(立憲主義とは何か)ということだろう。憲法は主権者が国家権力を管理するための法である。ところが、自民党の掲げる憲法草案は国家権力が国民を管理するような内容になっている部分が見られる、と対談者は主張する。96条先行改正案はその最たるものだ。また、改憲の先にあるビジョンが分からない、というのが彼らの共通した考え。とりあえず改憲したいのだ、というのが自民党の改憲派の意見なのだろう。政権が変わって改憲論はいったん下火になったように見えるが、今度は防衛予算の倍増へ。予算を増やすことが抑止となるか、不興を買うか。個別的自衛権と集団的自衛権の部分的行使しかカードがない状況は変わっていないことにも着目する必要があるのでは。
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二人の憲法学者の間の世代差みたいなものも感じられるし、 木村さんが、自民党の国会議員なんかと対話して感じとっている肌感覚みたいなものも語られるし、 サラッと読めるけども、楽しい本。 前半、奥平憲法学と樋口(陽一)憲法学、長谷部(恭男)憲法学の違い、宮澤(俊義)憲法学のもたらした弊害、 みたいな話をしていて、当たり前だけど、憲法「学」なんだから色々あるのよねぇ…と思った。 大澤・木村対談に比べて、一貫して木村草太さんが聞き手側にまわっている(そりゃそうか…)のだけど、 例えば、奥平先生が重視している憲法制定権力の重要性についての考察が、 大澤・木村対談において出てきた、 「憲法は…それを支える物語がないと、機能しません。 どんなに普遍的に立派なことが書いてあっても、物語がないと、その普遍に命が宿らない。」 (『憲法の条件 戦後70年から考える』p.65)につながっていくようにも読める。 また、奥平先生はあとがきで、日本国憲法は「普遍」という言葉を前文において二度用いていて、 そうした普遍的価値の追求こそが、「憲法なるものの価値を高めている」と述べているけど、 大澤・木村対談では、戦後リベラルの限界として、 「普遍」にしか日本国憲法の価値を求められなかった結果、 憲法において呈示されるはずの目指すべき国家像のようなもの(戦前でいうところの「国体」みたいなもの)が ぼやけて、説得力をもたないまま今に至ってしまっている、といった話題が挙がっている。 (ちょっとここのところ私の理解が曖昧だけど。) 面白れぇなぁ、もっと勉強しなきゃなぁ、と思える本でした。
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