商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 青林工藝舎 |
発売年月日 | 2014/03/20 |
JAN | 9784883793952 |
- コミック
- 青林工藝舎
モリミテ
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モリミテ
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商品レビュー
4.3
3件のお客様レビュー
ため息ついてしまうほど美しくやさしく危うい物語でした。私の読書ヘキの原点には絵本の『元気なマドレーヌ』があるので、フランスが舞台で女の子だけの寄宿学校のよ雰囲気にもう弱い。女の子たちのベッドが円状に並んでいるの本当に最高だった。 森奥の女の子だけの寄宿学校となると、大概は迷い込...
ため息ついてしまうほど美しくやさしく危うい物語でした。私の読書ヘキの原点には絵本の『元気なマドレーヌ』があるので、フランスが舞台で女の子だけの寄宿学校のよ雰囲気にもう弱い。女の子たちのベッドが円状に並んでいるの本当に最高だった。 森奥の女の子だけの寄宿学校となると、大概は迷い込んだ人主人公が酷い目に遭ったり、実は女の子たちが搾取されていたりというブラックな方向に展開しやすいと思うんだけど(映画『エコール』とか)、この作品にはあからさまな悪意はなく、どこかあやしいけれどやさしくて、でもそのやさしさは無邪気で温かいので断ち切るのが容易ではない。リュックとマダムの負っている傷は同じ種類のものなので、リュックがあそこで森に戻ってしまうのはもう止められないんだと思った。 自分がケガをしているのに「君は大丈夫?」と聞くような男はやさしすぎるんですよ……。マダムの目が三日月のようで、ガラスの天井の向こうにも三日月が上っていて、なんだか欠けたものが満ちる予感のようにも見える。 あとカズシが「鼻が詰まっていて」と、匂いを感じられないことを繰り返し描かれるのはなんだろ。匂いと記憶は濃密につながるとも聞くので、匂いの記憶のないカズシは、森を見ることは二度とないということなのだろうか。
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★★★★★ すごい本に出会ってしまった。 中野シズカは『刺星』『星匠』と読んでいてお気に入りのマンガ家のひとりだったが、続いて出た『オートバイ』は絵本だということで買わなくてもいいかと放っておいた。 先日、たまたま池袋のジュンク堂に行くとこの『モリミテ』が出ていたので、マンガならと購入したが、忙しかったこともあり2日ほど読まずにおいた。 期待はその程度だったのに読み終えた今、心の震えが止まらない。 自分でもまだまったく理解できていないのはわかるのに、なんだか思いもよらぬ不思議な世界のとば口に立ったような興奮がある。 白い服着て、くりくりお目々の、真珠のまち針みたいな女の子が森の中で遭難者をおもてなしする話。 神曲の時代から森は罪深い者のいくところと相場は決まっているが、ここに唯一神がいるようには思えない。 とこんな風にストーリーについて考えようとしたって無駄なのだろう。 きっと絵と話と演出ともろもろ全部ひっくるめたところのゲシュタルトにやられちゃったんだな。
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鬱蒼と茂る森には秘密が眠っている。 切り貼りされたトーンの森が、その秘密を より線密なものとしている。 リュックは結局、森に取り込まれてしまったんだろうな。
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