大作曲家の生涯(下) FM選書36

ハロルド・C.ショーンバーグ(著者), 亀井旭(訳者), 玉木裕(訳者)

• 販売会社／発売会社: 共同通信社
• 発売年月日: 1984/07/01
• JAN: 9784764101548

商品レビュー

2024/04/04

・参考図書指定科目：「西洋音楽史」

＜OPAC＞
https://opac.jp.net/Opac/NZ07RHV2FVFkRq0-73eaBwfieml/YfTLwNqGoiy4s3mgVYbtcqOvwDk/description.html

2022/06/27

アメリカの著名な音楽評論家、ハロルド・ショーンバーグによる大書の翻訳版。翻訳版は上・中・下の全三巻に分かれている。下巻には、「プッチーニ」から「シェーンベルク、ベルク、ウェーベルン」まで、全13章の作曲家論が収録されている。巻末には、上・中・下巻を通しての人名索引が付いている(上・中巻には索引は付いていない)。

原著の英語版は一冊の書物だが、翻訳版のように上・中・下巻に分けた場合、収録されている作曲家に対する関心度から言えば、上巻が一番人気があり、下巻が一番人気がないのは仕方がないことである(上巻には、一般的に人気の高い、バッハ、モーツァルト、ベートーヴェンが収録されている)。

原著は1970年の発行で古い本なので、下巻に登場する作曲家の評価はまだ確立されていない部分もある(コープランドはもちろん、ショスタコーヴィチもまだ存命中の時期だ)。

上巻、中巻に比べると読みづらいと思う表現が多い。それは前衛音楽の解説に起因している所もある。シェーンベルクの「月に憑かれたピエロ」は「月に浮かれたピエロ」と記載されているが、このような訳は初めて見た。

興味のある作曲家が下巻に収録されている場合は、下巻だけを読むのもいいが、上中下巻と順番に読むと西洋音楽史の流れをつかめ、個人個人への理解もより深まるので、上中下巻と順番に読むことをお勧めしたい。