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検証防空法 空襲下で禁じられた避難
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検証防空法 空襲下で禁じられた避難

水島朝穂, 大前治【著】

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検証防空法 空襲下で禁じられた避難

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 法律文化社
発売年月日 2014/02/07
JAN 9784589035707

検証防空法

¥3,080

商品レビュー

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2014/05/25

回送先:府中市立新町図書館 大阪空襲訴訟の原告側証人である水島と弁護人であった大前による防空法の検証記録である。防空法制をめぐっては昨年の連続テレビ小説「ごちそうさん」でも仔細に触れられていることだが(制作局が大阪放送局というのもその一因であろう)、本書では感情論をある程度まで...

回送先:府中市立新町図書館 大阪空襲訴訟の原告側証人である水島と弁護人であった大前による防空法の検証記録である。防空法制をめぐっては昨年の連続テレビ小説「ごちそうさん」でも仔細に触れられていることだが(制作局が大阪放送局というのもその一因であろう)、本書では感情論をある程度まで排しつつ、実際の運用が「臣民」に対してもたらされた結果について検証をおこなっているといえるだろう。 ただし、仔細に検討すればするほど水島の感情の吐露が出たくなるのだろう、法律運用の弊害部分(とりわけ、都市部からの退避禁止・「疎開」政策の抑制など)を冷徹に分析できているとはお世辞にも言えまい。「助かったかもしれない生命」のリアリズムがあまりにも大きすぎて、「叫ぶことも非難することもできなくなったものたち」に成り代わって代弁するという無謀な思考もしばし散見されることについては課題として見えてくる。 「悪法なりとも法なりき」とする見方は確かにあるにはある(その極限といえるのがナチのショアーであり、アイヒマン裁判でも問題になった「悪の陳腐さ」でもある)。だが、それすら都合のよい展開に「読み替える」浅ましさは問題だろう。そしてそれゆえに水島もまた、同じ轍を踏んではいないのかと評者は危惧するのである。

Posted by ブクログ

2014/05/20

朝ドラ『ごちそうさん』で一躍注目を浴びた防空法制について。研究者と弁護士の共著で,史料に基づいた事実を中心にして,政府による正しい知識の隠蔽,防空演習の無意味さ,相互監視による避難の困難性を描き出す。二度にわたる青森空襲では,初回の体験で空襲の現実を見,町を離れていた市民が,市の...

朝ドラ『ごちそうさん』で一躍注目を浴びた防空法制について。研究者と弁護士の共著で,史料に基づいた事実を中心にして,政府による正しい知識の隠蔽,防空演習の無意味さ,相互監視による避難の困難性を描き出す。二度にわたる青森空襲では,初回の体験で空襲の現実を見,町を離れていた市民が,市の配給停止宣言を受けてやむなく舞い戻り,二度目の被害に遭っている。防空法が空襲犠牲者を増やした悪法であったことは,間違いないだろう。著者の関わった大阪空襲訴訟において,裁判所もそれを認める判断をした。判決の抜粋が収録されているが,これは著者らの主張を客観視する上でも有意義な情報だろう。 本書の何箇所かで言及されているのだが,原発事故やミサイル防衛計画に触れつつ,当時の政府ー市民の構図が現在も続いているとする見立てには違和感を覚えた。表現の自由や個人主義の普及,情報の流通拡大などを経て当時と今とは状況がまるで違っている。いささかミスリーディングで,本書の価値をやや減じているのではないだろうか。

Posted by ブクログ

2014/05/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

HONZで存在を知って読んでみようと思っていたものの、なかなか手を出せないでいた。先日、朝日新聞に3月に終わったNHK朝の連ドラ「ごちそうさん」に防空法、言論統制がよく盛り込まれていたとの記事を読み、ようやく読むことに。 空襲の人的被害が防火義務による逃げ遅れであることは知っていた。 しかし、逃げ遅れ、実際には強制的な退避禁止が、国民に空襲、焼夷弾の正しい知識・情報を与えなかった出版・言論統制とも深くかかわりあっていることを初めてしった。 その一方で、政府(軍部)の発表を信じろ、流言・庇護に惑わされるなと喧伝するのはまさに詐欺的な行為ではないか。 本書にも述べられているが、事実(歴史)を知った現代の感覚からすると、そんなバカなと思われること(手袋をはめた手で落下した焼夷弾を投げ捨てたなど)でも、周囲からの情報が隔絶された(出版・言論統制が行なわれた)状態で、政府・軍部から一方的に吹き込まれる知識を信じてしまうのだろう。 また、理性か本能か空襲のある都市部から避難、疎開しようとしても許可なくしての移動では、物資・食品の配給もうけられず、また隣組などの所属組織からも非国民よばわりされる。 国が守るべきは領土や国民ではなく、国体であったことはよく言われることだが、ここでもそのことが証明されている。

Posted by ブクログ

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