商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 吉川弘文館 |
発売年月日 | 2014/01/23 |
JAN | 9784642081009 |
- 書籍
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カクレキリシタンの実像
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カクレキリシタンの実像
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商品レビュー
3.9
12件のお客様レビュー
新しいことを知る喜び。目を開かれる思い。 そういう自分に出会えることが読書の楽しみの一つである。 私にとっては本書は、その位置づけであった。 世界遺産となった長崎と五島のキリシタン教会群を訪れていらい、隠れキリシタンとはなんなのか、なぜ大量の殉教者がでてしまったのかを、理解した...
新しいことを知る喜び。目を開かれる思い。 そういう自分に出会えることが読書の楽しみの一つである。 私にとっては本書は、その位置づけであった。 世界遺産となった長崎と五島のキリシタン教会群を訪れていらい、隠れキリシタンとはなんなのか、なぜ大量の殉教者がでてしまったのかを、理解したくて機会があるごとに本を読んでいた。 この本は前者の隠れキリシタンとは?という問いに明確に答える。それは土着宗教であると。 禁教期のキリシタン信仰は、先祖が命懸けで守った宗教が何なのかよく分からないままに、大事に守り通した。根底には先祖崇拝がある。 先祖を大切にし、徹底して現世利益を求める典型的な日本の民俗宗教の一つだと。 村単位の小さな集団で、3役などの役割を分担し、多くは年間80もの行事を実施してきた集団もある。かつては信仰をもとに皆でつながり、助け合うことが自らを守ることにもなったのであろうが、現在では後継者がおらず消えていく状態である。 著者はキリスト教ではもはやないと断言する。隠れてもないと。だからカクレキリシタン。 キリスト教じたいについても、ミッション系学校など数多くあり、ある程度日本になじんではいるが、「頑強に現世利益主義を否定し、来世志向的な一神教を保持」しようとしている限り、日本には土着しないと断言する。 「重層信仰的な世界観に慣れ親しんできた日本人を、一神教の世界に招き入れることは容易な作業ではない」と。 フィールドワークに基づいた、カクレキリシタンの話には納得しかないが、本書ではあまり語られない点が2つある。 ・殉教者が大量に出た理由。先祖を大切にするという理由だけれは納得感がない。 ・信仰告白したカクレキリシタンはどのような位置づけか。確か、数百年後に仲間が現れるという言い伝えを信じて信仰を続けた者たちもおり、カクレキリシタンの信仰にも濃淡というか、いろいろな方向性があったような気がする。 著者の講演を一度聞いてみたかった。
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カクレキリシタンは隠れてもいないし、キリスト教的雰囲気を醸し出す衣をまとった典型的な日本の民俗宗教の一つ。
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江戸時代に迫害されていたカクレキリシタンとはどのような人たちだったのかを解説した本。よく言われるように神仏を隠れのみにしていたのではなく、実際は神仏習合したようにキリスト教も混ぜ合わせた形で信仰していた。 秀吉、家康とキリスト教を禁じたため、教え導く宣教師がいない状態で信仰だけ...
江戸時代に迫害されていたカクレキリシタンとはどのような人たちだったのかを解説した本。よく言われるように神仏を隠れのみにしていたのではなく、実際は神仏習合したようにキリスト教も混ぜ合わせた形で信仰していた。 秀吉、家康とキリスト教を禁じたため、教え導く宣教師がいない状態で信仰だけが続いた。そのため本来のカトリックの教えとは似ても似つかない宗教を信仰していたのがカクレキリシタンである。しかも彼ら自身ですらその宗教行為の意味を分かっていない。ただ儀式だけが続けられていた。 こうやって書くと、本当のキリスト教ではないと言いたくなるが、当のカトリックもイエスの教えからはずいぶんと変質している。まずパウロによってユダヤ人以外にも合う形となり、西に広まってからはゲルマン系の宗教と合体する。もとより教えが変質するのは当然の流れと言えるだろう。
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