商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | みすず書房 |
発売年月日 | 2013/12/27 |
JAN | 9784622077848 |
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商品レビュー
3.7
4件のお客様レビュー
非常に心に残る一冊だった。 ロシアという、過酷で特異とも言える歴史を持ち、直近一世紀で嵐が吹き続けているような国。そこでユダヤ人として育ち迫害も味わった著者の、祖国に対する血を吐くような叫びと呻きが聞こえてくるような一冊である。 特に、1930年代のウクライナの大飢饉の描写には、...
非常に心に残る一冊だった。 ロシアという、過酷で特異とも言える歴史を持ち、直近一世紀で嵐が吹き続けているような国。そこでユダヤ人として育ち迫害も味わった著者の、祖国に対する血を吐くような叫びと呻きが聞こえてくるような一冊である。 特に、1930年代のウクライナの大飢饉の描写には、言葉が出ない。ホロコーストであれば、繰り返し語り部たちに触れてきた。しかし、ホロドモールの惨状を具体的に語る作品に触れたのは初めてで、打ちのめされた。 文字どおりの棄民である。種蒔き用の穀物も含め最後の一粒まで村から取り上げ、村ごと朽ちるに任せた。町には検問が置かれ、田舎を走る列車は窓を封じられ、村人から乞食の手段すら奪った。衰弱のあまり這ってしか移動できない人を嘲笑い、蹴り飛ばした。そうして、消失した村が無数にあったという事実。春になり、家々を順番に訪れ、そこに住んでいた人々の腐乱した死体の数を淡々と確認していく役人たち…。 若き日に全てを目撃していた(関与もしていた)アンナの血が噴き上がるような独白は、直視に絶えない現実の惨さというものを、刃物を刺しこむように伝えている。 「いいえ、そんなことがあるはずはない!でもそのあとから、こう思いもするのです。あった、あったのだ!そして、すぐに思うのです、ない、そんなことがあるはずはなかった!」 曰く、自由であることの恐ろしさ。自由とは何なのか。人間であることとは何なのか。おそらく1割も理解できていない。また再読したい。
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スターリン。重工業化を進めたいが、外貨がない。そこで肥沃なウクライナの穀物を奪い、外国に売って、外貨を蓄えた。結果、ウクライナでは大飢饉が起こった。
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イワン・グリゴーリエヴィチの緻密な観察と明晰な考察/思索がずっしりとくる。「自由は育っていた。それは人々が人間であり続けていたからだった。」
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