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アエネーイス
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アエネーイス

ウェルギリウス(著者), 杉本正俊(訳者)

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アエネーイス

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新評論
発売年月日 2013/12/18
JAN 9784794809551

アエネーイス

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商品レビュー

4.5

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2024/03/07

『アエネーイス』はトローヤ(トロイ)滅亡の敗将アエネーアースを主人公として、物語前半は冒険譚、後半は戦争が描かれています。 本書は1冊全12巻構成で、特色があるのは巻2のトローヤ落城、巻4のディードーの死、巻6の冥界巡礼でしょう。 後半はラティウム(中部イタリア地方)の覇権をめぐ...

『アエネーイス』はトローヤ(トロイ)滅亡の敗将アエネーアースを主人公として、物語前半は冒険譚、後半は戦争が描かれています。 本書は1冊全12巻構成で、特色があるのは巻2のトローヤ落城、巻4のディードーの死、巻6の冥界巡礼でしょう。 後半はラティウム(中部イタリア地方)の覇権をめぐって、アエネーアースとトゥルヌスの対立を軸とした、軍記物語となります。 個人的に印象に残ったのは、巻11のトローヤ戦争の勝利国ダナイー(ギリシャ)勢の武将ディオメーデースの台詞です。 (『アエネーイス』P.331~P.332) 彼は勝者にとっての戦争の悲惨さについて、切々と語りました。 「ただ、われらはその[トローヤ戦争勝利]後、どこへ行っても、恐ろしい苦難に悩まされました。われらは全員、悪業の報いを受けたのでござる。  プリアモス王[トローヤ王。王国滅亡の際、惨殺される。]でさえわれら一同の物語には憐れみを覚えることでござろう。」 (同 P.331 [ ]は評者による捕捉。) 「わしにしてもな、神々の恨みは痛いほど味わった。神々は、(中略)恋い焦がれし妻と、麗しきカリュドーンの町とに再会することを、お許しにはならなかったのじゃ。」 (同 P.332) 「わしは今も恐ろしい奇怪な出来事に悩む身なのでござる。それはな、わしの戦友たちが皆、わしの周りから消えてしまい、翼を振って大空へ舞い上がったことでござる。(中略)なんとも哀れな者どもではござらぬか。彼らは、涙を流しつつ、岩場で啼き暮らす身なのでござる。」 (同 P.332) 「わしは後の祟りを、よくよく考えるべきであった。  そんなわけで、(中略)不吉な戦争など、わしはもう懲り懲りなのでござる。」 (同 P.332) 著者ウェルギリウス亡き後の、軍事大国ローマの宿業および皇帝たちの運命をどこか暗示している様にも思えるのです。

Posted by ブクログ

2022/08/03

ホメロスの叙事詩リスペクトが節々に感じられる。前半はオデュッセイア、後半はイリアスというような感じ。ただその2作品より読むのに難儀した。というのも、話が横道に逸れまくるから。新キャラが登場するとその出自やまつわる神話を紹介してくるので、本筋の話がなかなか進まない。特に前半はそんな...

ホメロスの叙事詩リスペクトが節々に感じられる。前半はオデュッセイア、後半はイリアスというような感じ。ただその2作品より読むのに難儀した。というのも、話が横道に逸れまくるから。新キャラが登場するとその出自やまつわる神話を紹介してくるので、本筋の話がなかなか進まない。特に前半はそんな感じ。 後半の戦争編はいくらかテンポも良くなって読みやすかった。船団の紹介、アエネーイスの武具紹介、最初は戦闘に参加していない等々の演出は、もろイリアスのオマージュと思われる。 あとは時々日本語訳が気になった。というのも、神に祈る際に「南無〇〇大明神」みたいな表現が頻出するが、なぜわざわざ仏教や神道の言葉を用いるのか。。無理に日本人の宗教観に寄せた訳をしなくても良いのではないかと思う。「〜でござる」のようは口調によるキャラ付けも少々お節介に感じた。 とはいえ、古代ローマ建国前の伝説を読めたというのは楽しく価値のある時間だった。

Posted by ブクログ

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