商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2013/11/18 |
JAN | 9784003127186 |
- 書籍
- 文庫
化鳥・三尺角 他六篇
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化鳥・三尺角 他六篇
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商品レビュー
3.9
10件のお客様レビュー
泉鏡花 短編集 注解と解説が充実。表題2編が 非現実から現実を読むスタイルが明確でわかりやすい。他は普通で物足りない 化鳥 *テーマは「人間の傲慢さや差別〜虐げられた者(被差別民)の怒り」 *鳥は 被差別民の比喩と捉えた *橋が 人間世界と別世界(被差別民)の境界線を意図し...
泉鏡花 短編集 注解と解説が充実。表題2編が 非現実から現実を読むスタイルが明確でわかりやすい。他は普通で物足りない 化鳥 *テーマは「人間の傲慢さや差別〜虐げられた者(被差別民)の怒り」 *鳥は 被差別民の比喩と捉えた *橋が 人間世界と別世界(被差別民)の境界線を意図していると思う *母(被差別民)への思慕、差別する側(人間)の自分という目線〜母と同じ側になるために化鳥となる 三尺角 *テーマは 自然信仰の福音性〜木に神が宿る思想 *木を礼拝する如く挽く与吉の福音が柳の絶望を救う *幻想や自然信仰から 福音(現実の滅びから救われる)を見出している 木精 *三尺角の続編。工学士=近代の滅びの象徴 *抜け殻の近代が 幻想を通して、前近代の美しさに気づく構成
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ずっと愛読していたのに未登録だったので。いまは「泉鏡花集成」を読んでいるが、その前は(いや、もしかしたらいまでも)鏡花作品の中で1冊しか持てないならこの本と決めていた。『化鳥』の生物観、『三尺角』や『木霊』の幽幻と悲しみと神秘、『清心庵』にあらわれる一種の納得と驚き、『第二蒟蒻本』のせつないいとしさは、どれも身が締まって胸が透き通る。『朱日記』では現代知に支配されきらない、強い、ほかの理の存在が示されてどきどきする。『皮鞄の怪』の、どこか潔くすっきりした様子にははっとさせられる。『茸の舞姫』は、まだわからない部分もあるが、怖い中にもある種の理があるのは窺える。などといろいろ書いたが、鏡花作品は共通するとおり「画のごとく」描かれる情景を「吞み干す」のがいちばんいいと思う。奥底に深く染み渡る寂しさと、いわゆる常識と異なる、けれど間違いにはできない理は飲んだ胃から吸収される。理屈でむりに解釈するのは野暮だと思う。
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「化鳥」だけ。子どもの純粋な問いと教師の答えにモヤモヤする。人間はどの動物よりも偉い、なぜならば言葉を話せるからという事に対して、動物だって囀ったりして会話をしていると言う。それを全否定出来ない。とてもいい感性だから。 お母様はただ笑っているだけではあるけど、いろいろな思いを抱えてるに違いない。それでも、子どもの前では美しいお母様。美しい女性はすぐそばに。
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