商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2013/11/29 |
JAN | 9784101312866 |
- 書籍
- 文庫
寒灯・腐泥の果実
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寒灯・腐泥の果実
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商品レビュー
3.3
7件のお客様レビュー
読者にはお馴染みの「貫多と秋恵」の短編集といえよう。棘々しい題名と古典的で折目正しい文章、ユーモラスで軽快な展開は相変わらずだ。どの作品も、貫多の惚気→些細な不満→癇癪という王道の流れで締め括られる。著者は貫多を徹底的に偏屈者として卑下し、しかし作中では行為の正当性を主張すること...
読者にはお馴染みの「貫多と秋恵」の短編集といえよう。棘々しい題名と古典的で折目正しい文章、ユーモラスで軽快な展開は相変わらずだ。どの作品も、貫多の惚気→些細な不満→癇癪という王道の流れで締め括られる。著者は貫多を徹底的に偏屈者として卑下し、しかし作中では行為の正当性を主張することで、事象の滑稽さを際立たせ不思議と暗い雰囲気はない。純文学風の文体にカタカナ言葉がさらっと入り込んでくるあたり著者の実力を伺わせる。 とはいえ私小説家であることは理解しつつも毎度同じ「秋恵」話に些か食傷気味なのは否めないか。
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私小説だから登場人物も変わらなく、飾りもない。そんな雰囲気が好きで、変わらない事を期待して読み、そして期待通りの空気感を味わえる。そう、期待通り作者は劣悪な性格で卑しく感情的。しかし可愛げがあり、どこか共感できる。だが大抵は、おいおいそこまで言うなよ、という感覚だ。 しかし、こ...
私小説だから登場人物も変わらなく、飾りもない。そんな雰囲気が好きで、変わらない事を期待して読み、そして期待通りの空気感を味わえる。そう、期待通り作者は劣悪な性格で卑しく感情的。しかし可愛げがあり、どこか共感できる。だが大抵は、おいおいそこまで言うなよ、という感覚だ。 しかし、この私小説、どこまで実態を再現しているのだろう。作られたキャラだったら嫌だなと思いながらも、私小説を書くからには、主観的に自らの人生を切り抜くに、ここだ、というポイントがあるものではないだろうか。そう考えると、私小説には偽りは無くとも、編集があり、そら勿論、読み手を意識したカットや選別作業があるはずである。そうなればやはり、読み手に対して、こう見られたいという気持ちが働くものだ。この点が、私小説の限界ではないだろうか。というよりも、それも含めて、味わえば良いのだ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
西村賢太の小説を読むのは初めてでしたが、まず読み始めると文章に出てくる単語とか言い回しから物凄く昔の小説を読んでいるような気分になってその時点で「読み進められるだろうか…」と不安になったりしましたが、読み進めてみると書いていることはよくある現代の風景で、慣れるとその部分は気にならなくなります。 それで次に気になってくるのが北町貫多のダメさ加減。 とにかく「あーなんでそういうこと言っちゃうかなぁ…」の連続です。 大体小説を読むとその話の主人公の気持ちになったりして読んだりしますが、この主人公の気持ちは全く理解できませんでした(笑)
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