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出口なお 女性教祖と救済思想 岩波現代文庫 学術296
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
| 発売年月日 | 2013/07/19 |
| JAN | 9784006002961 |
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出口なお
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商品レビュー
3.8
6件のお客様レビュー
なおが神憑りを起こすまでが特におもしろかったです。それ以降、私にはちょっと難しかった。 抑圧に抑圧を重ね、ありとあらゆる不幸を一身に背負い込み、心身共にギリギリの状態にまで追い詰められていくところからの神憑りによるスパークには、一種のカタルシスを感じた。 韓国映画『ビー・デビル...
なおが神憑りを起こすまでが特におもしろかったです。それ以降、私にはちょっと難しかった。 抑圧に抑圧を重ね、ありとあらゆる不幸を一身に背負い込み、心身共にギリギリの状態にまで追い詰められていくところからの神憑りによるスパークには、一種のカタルシスを感じた。 韓国映画『ビー・デビル』で、周囲の人間にいくら蹂躙されようとも自分を押し殺し続けてきた主人公が、最後一気に殺人マシーンと化すところで出る脳内物質と似たようなものが噴出して気持ちいい。 明治維新後、社会構造や価値観が急激に変化していくなかで、多くの人がそれに適応できずに不調をきたし集団としても盛大にバグが生じてしまう様が、現代を生きる私にとってもまったく人ごとと思えず、恐ろしくてたまらない。。 近代化の過渡期の中で新宗教が雨後の筍のように次々と誕生したこと、そして多くの民衆がそれを求めずにはいられなかったことにはやはり、人間という存在の持つかなしみとおかしみが混在しており、胸うたれる。
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めちゃくちゃ面白かった。 安丸の民衆に対するリスペクトに満ち溢れている。 なおの根底にあるのはやはり通俗道徳。 なおの苦難に満ちた半生は、ぱっとみただけだと「よくありそうな昔の人の苦労話」。 でも昔の人の「幸福追求のかたち」というのは、努力して苦難に耐える→家の繁栄→それがみずか...
めちゃくちゃ面白かった。 安丸の民衆に対するリスペクトに満ち溢れている。 なおの根底にあるのはやはり通俗道徳。 なおの苦難に満ちた半生は、ぱっとみただけだと「よくありそうな昔の人の苦労話」。 でも昔の人の「幸福追求のかたち」というのは、努力して苦難に耐える→家の繁栄→それがみずからの幸せにつながる という図式だったと改めて説明されると、今の私たちと全く違う生き方なんだとしみじみ驚く。 なおの苦難と、「良神なのにその正しさが厳しすぎて零落してしまった」という艮の金神の神格がリンクしているというのは大変面白い。 なおは通俗道徳に則って懸命に生きてきたのに報われず、その宗教は厳しい終末観をもつ激烈な思想になったというのは、とても筋が通っていて納得できる。 また金光教という既成の宗教を足がかりに発展していたというのは、「宗教の始まり方」を知る上でも興味深い。 最後の安丸の名文 「無学文盲で、なんの取り柄もない老婆だったなおは、みずからのすさまじい苦難にたちむかってそれに耐えぬく強靭さだけをアルキメデスの支点にして、近代化してゆく日本社会をその全体性において告発し抜いたのであった。 生活事実としての苦難が存在すること、そこから個性的な意味をくみあげることとは、まったくべつのことがらである。後者の道には、苦難を生き抜きそれを逆手にとる、強靭に鍛え抜かれた自己がなければならない。なおは、日本の民衆が歴史のなかで育ててきた資質を、あるつきつめたかたちでうけつぎ、そこに拠点をすえて、みずからのはげしい苦難からかぎりないほどゆたかな意味をくみとり、私たちの世界のもっとも根源的な不正と残虐性に立ち向かったのであった。こうしてなおは、みずからの生の貧しさを、かえって、根源的なゆたかさにつくりかえたのである。 その意味で、なおは、もっともよく戦った人生の戦士だった」 すごい。恐ろしく名文や。
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大本教の開祖である、出口なおの生涯について書かれた本。 無学文盲で貧困の極みになった老女に、ある日神様が降りてきて宗教がはじまる。宗教の始まって行く様子がとても興味深かった。 文章が極めて読みにくくて苦戦しましたが、金光教の事なんかも知れてそれなりに楽しめました。
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