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こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち 文春文庫
968円
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2013/07/10 |
JAN | 9784167838706 |
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こんな夜更けにバナナかよ
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こんな夜更けにバナナかよ
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商品レビュー
4.3
109件のお客様レビュー
自分が1人の人間として評価されたい。それだけ。 だれかの庇護下にあったり、憐れみの目を向けられていては、自分を出し切ることもできないんだよね。
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非常に面白かった。障害者とボランティアと言う「綺麗な話」になりがちな構図だが、もっとずっと生々しく、生き生きとした世界がそこにはあった。 人と人が欲求をぶつけ合う、と言うすごくプリミティブなやりとりが、鹿野さんの視点からもボランティアの視点からもあって、その中でどうにかこうにか生...
非常に面白かった。障害者とボランティアと言う「綺麗な話」になりがちな構図だが、もっとずっと生々しく、生き生きとした世界がそこにはあった。 人と人が欲求をぶつけ合う、と言うすごくプリミティブなやりとりが、鹿野さんの視点からもボランティアの視点からもあって、その中でどうにかこうにか生活を作っていく、と言うその全体像が、面白い。
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最初にこの本を読み始めたときは、わがままな鹿野の介護ボランティアをなぜするのだろうと思った。鹿野は「さらけ出さないと他人の中で生きていけない」と言っていたが、あまりにもボランティアの人の上に立とうとしていたので疑問が大きくなった。そこで、ボランティアの人に目を抜けると、自身がなく...
最初にこの本を読み始めたときは、わがままな鹿野の介護ボランティアをなぜするのだろうと思った。鹿野は「さらけ出さないと他人の中で生きていけない」と言っていたが、あまりにもボランティアの人の上に立とうとしていたので疑問が大きくなった。そこで、ボランティアの人に目を抜けると、自身がなく「父親が尊敬できないと自身のない子に育つ」という人や楽しそうだからや何かしたいという思いからやっている人まで様々だった。それを作者は、 「ボランティアをする若者は2000年以前は市民運動熱を持った人、2000年は自分探しの人である」と述べていた。 現在、ボランティアをしているのはどのような層なのかと疑問に思った。 この本では、西村秀雄という人が紹介されていた。戦後、戦時中に反戦主張をしていた東大総長に誘われ、東大教官になり、その時にシンポジウムを開いて障害者に接し、障害者を締め出していた事に気づき北海道の身体障害者施設で働き始めた。若者であった鹿野の意見を否定せずにどうしたいかをきいて深く相手を知ろうとした。また、障害者が無視されていたときに障害者に意見を求めるだけでなく、可能性も見出していた。その後、障碍者団体が泣きたいときに1人で泣ける部屋が欲しいという要望がでたため、西村は数々の協力を行った。北海道民政部は危険で法律上できないと言っていたが、実際に生活をしてみることで行政を動かすことに成功した。 このような活動の最前線にいた鹿野が 「主張すれば与えられる。主張しなければ与えられない。だからこそ、主張することを恐れてはいけない」という言葉に感銘を受けるのも納得であった。 本を読み進めていくうちに鹿野が自立を目指すわがままを言うのは当然だという感想を持ち始めた。ここの自立とは誰の助けも必要としないことではなく、自分が決定権を持つことである。そのために自分の生死を握るボランティアを頼るけども同時に憎む、アンビバレントな感情も持つだろうなと思った。 この本を読み切っても障碍者のわがままの範囲の明確な答えは出ていなかった。しかし、これに対処するために自分の常識でダメなことはダメと言いつつも、自身の常識を疑う2面性をもつ必要性がこの本を通して身近に理解できた。
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