ぎふちょう

舘野鴻【作・絵】

• 販売会社／発売会社: 偕成社
• 発売年月日: 2013/06/15
• JAN: 9784034370605

商品レビュー

2024/10/19

舘野鴻（たての　ひろし）さんの絵本ですね。
ぎふちょうの一生を、誕生から劇的に紹介されています。緻密な絵が美しく描かれています。

　ゆきぐにに　春が　きた。
　ぶなの　林に
　ぎふちょうが　とんでくる。

　さくらの花で　おすと　めすが　であった。
　めすは　かんあおいの　わかい　葉っぱのうらに
　しんじゅ色のたまごを　１０こ
　うみつけた。

　たまごは　しんじゅ色から　黄色に
　それから　銀色に。
　まもなく
　小さな毛虫が　うまれた。

　天敵に、次々に食べられて、ぎふちょうの幼虫は数を減らしながらも成長していきます。
　見事な、自然の生業と生態を、克明に描かれています。精密画ですので、リアルティがありますが、柔らかいタッチの絵が、臨場感を和らげます。
　巻末に、詳細な「ギフチョウについて」の説明がありますから、大人でもギフチョウの事に、詳しくなれるのが良いですね。
　あとがきに「ギフチョウは、早春に舞い飛ぶひときわ美しい昆虫です。……生活を追うとなると、卵から蛹まで、観察のほとんどは地べたとなってしまいます。あげくに蛹は１０ヶ月も眠ってしまいますが、まわりでは、たくさんの生きものの生活がいつも交錯しています。交錯する無数の生きものたちが、ひとつの生きもののように感じました。私が感じている林全体が、ひとつの生きものだと。」
　少し長くなりましたが、この絵本の素晴らしさは、この言葉が、そのまま絵として表現されていることですね。

2024/03/12

緻密な絵が美しい。
蝶の一生なので、じっと動かない蛹の時間が長い。
蛹は動かないけど、周りの季節も他の生き物も動いていく。鮮やかな四季と生命の巡りが、ただただそこにある。

姪の5歳になる誕生日にプレゼントしました。

絵を描くことや工作や、砂場遊びや虫捕りが好きな子だと感じるので、自然や世界をじっくり観察して考えるきっかけになればよいかなと思います。

姪の妹（2歳）にも好評なようで、読み聞かせをせがまれていました。

2022/03/14

よみきかせ記録。

https://www.kaiseisha.co.jp/books/9784034370605