愛に乱暴

吉田修一【著】

• 販売会社／発売会社: 新潮社
• 発売年月日: 2013/05/22
• JAN: 9784104628063

商品レビュー

2024/12/31

夫の浮気に振り回される妻の物語。同居している義母とも折り合いが悪く、全体を通して何故離婚しないのか、自分の想像力では理解しがたかった。自分が相手の心情をコントロールすることなど土台無理だと思った。
結婚は時に相手の家族ごと背負うものだと、愛のない夫婦関係が改善されることはないことを読んでいて感じた。恋愛だけでなく、友人関係でもそうだが、互いに尊重出来ない時点でそこに心地よさは生まれないのだろう。
最後まで夫婦間が冷え切ってることにリアリティを感じた。

セリフ：「それはお前の見方だよ」（話し合いをしてくれない旦那へ感情的になり、自分の考えを押し付けた返し。）

2024/11/27

まぁ、簡単にひとことでいうと夫の不貞のものがたり

これが、吉田修一作品になるとこうなる！

誰を好きで誰を好きじゃないとか
誰が悪いとか誰が悪くないとか
そういう簡単な感じじゃないのなんか
みんなまともでみんなおかしい

映画で
桃子を演じた江口のりこさんは
大変だっただろうな、と思った

でも、不穏で狂気なんだけど
私自身もいきなり夫が不倫してるの知ったら
こうなるのかも
というリアリティがある

2024/11/11

誰にも本音を話せない。そこからどんどん望んでいない方向へ。外からみれば普通に暮らしている。
夫や姑にお茶をだしたり食事を作る場面がリアルでキチンとした生活をすることで正気を保っていようとしているような気がして怖い。
自分の中の大事なことに向き合わないでいると、こんな状態になるのかなと思った。