商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 勁草書房 |
発売年月日 | 2013/05/20 |
JAN | 9784326302185 |
- 書籍
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人間・国家・戦争
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人間・国家・戦争
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商品レビュー
3.5
3件のお客様レビュー
・戦争の原因は3つのイメージからなる。第一のイメージは「人間の本性と行動」、第二のイメージは「国家の国内構造」、第三のイメージは「国際関係」である。 きっかけ:紛争するなら八田までを読んで 読了日:2022/03/17
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国際政治を紐解くための三つのイメージ(分析のレベル)としての、人間、国家、国際システム。かつては良き人間/国家が平和を、一方悪しき人間/国家が戦争をもたらすとされてきた。そして、それらは宗教的・規範的な価値判断や当時の政治哲学、近代革命以降の経験における民主主義(あるいは社会主義...
国際政治を紐解くための三つのイメージ(分析のレベル)としての、人間、国家、国際システム。かつては良き人間/国家が平和を、一方悪しき人間/国家が戦争をもたらすとされてきた。そして、それらは宗教的・規範的な価値判断や当時の政治哲学、近代革命以降の経験における民主主義(あるいは社会主義)や経済的相互依存関係の可能性に対する信頼によって支えられてきた。つまり、国際政治を大きく特徴づける戦争と平和という二つの状態は人間と国家のそれぞれの性質との結びつきという次元において語られてきたのだ。 しかし、アナーキー(無政府状態)によって条件づけられた国際政治においては、戦争と平和の発生はそのようにして単純に結論づけられるものではない。例えば、ある国家は戦争を抑止しようとして取ったまさにその行動によって戦争を引き起こすことがある(後に「安全保障のジレンマ」と呼ばれるものである)。平和を望み、取った最善の行動が反対の結果をもたらすことがあるというのだ。それは、決定を強制することを可能とするような権力の不在が生み出したものであり、国際政治に特有の現象である。 戦争と平和を考察するにあたって、人間や国家がその直接原因となることに間違いはない。しかしながら、それら二つのレベルの主体を制約し、その行動に方向性を与える「国際システム(特にアナーキー)」の機能と特徴にも目を向けることが、国際政治を理解する上で非常に重要であるのだ。
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国際関係において自由主義者たちは活動しない国家という原則から出発する。 平和と戦争はそれぞれ良い国家と悪い国家の所産である。もしこの命題が本当だとしても、国家をいまある状態から望ましい状態に変えるには何ができるだろうか。この問題は国際関係の自由主義理論の批判へとつながる。 アリ...
国際関係において自由主義者たちは活動しない国家という原則から出発する。 平和と戦争はそれぞれ良い国家と悪い国家の所産である。もしこの命題が本当だとしても、国家をいまある状態から望ましい状態に変えるには何ができるだろうか。この問題は国際関係の自由主義理論の批判へとつながる。 アリストテレスは国家の政治構造は軍事組織によって大きく影響される可能性があり、また軍事組織は地理的位置のような政治以外の要因によって必然的に定まると論じた。 アナーキーのもとでは、自動的な調和は存在しない。人間、国家、国家システムは国際関係を理解しようとするならどんな場合でもきわめて基本的なもので、分析者が1つのイメージにいかに傾倒していようとも、他の2つのイメージを完全に無視することはできない。 国際政治を研究するうえで、国家を行動する単位として関gなえるのは便利である。同時に結局は抽象的概念であり、つまるところは無生物である国家を行動主体として扱うのは常識に反する。 国家は自分で自分の安全を保とうと努力しない限り、不十分な安全さえ享受できないものである。もし安全とは国家が欲するものであるとするなら、この安全への欲求とすべての国家がおかれている状況とは合理的政策から逸脱すると国家の存続が危うくなるという自動的に作用する制裁によって、この必要条件が課される。 勢力均衡政策を追求するかどうかは選択の問題だが、ほぼ確実な自滅とパワーポリティクスのゲームを積極的にプレイすることとのどちらを選ぶかの選択である。国際政治をほかのゲームと区別する要因は、(1)ゲームのリスクが非常に重要と考えられていること、(2)国際政治では結果に影響する手段として軍事力の使用が排除されていないことである。
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