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女性ホームレスとして生きる 貧困と排除の社会学
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女性ホームレスとして生きる 貧困と排除の社会学

丸山里美(著者)

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女性ホームレスとして生きる 貧困と排除の社会学

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 世界思想社
発売年月日 2013/04/04
JAN 9784790715931

女性ホームレスとして生きる

¥3,080

商品レビュー

3.5

9件のお客様レビュー

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2022/01/23

京都大学に提出した博士論文の加筆修正である。半分ぐらいが公表されたデータの分析、あとの半分がフィールドワークと理論である。学部生のフィールドワークの授業の参考になるかどうかの観点で読んだが少し難しいようである。ジェンダーの修士論文及び博士論文執筆に参考になるだろうと思われる。

Posted by ブクログ

2021/08/20

図書館本。前半のデータも読み応えがあり、ここがあるからこそ、後半の生活史が立体的に浮き上がってくる感じがした。日本に暮らす外国人女性の抱える背景とも共通しているところが多いように思う。 新装版が出たら、ぜひとも買いたい。

Posted by ブクログ

2019/11/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いつ生活必需品が手に入るかわからない不安定な生活のなかで、人と人との距離が極度に近く助け合って生きており、互いに偏見のないフラットな関係に過ごしやすさを感じる野宿者もいるようだ。 精神面に不安定さが目立つ方も多く、「一貫した自己」は生きるなかで形成される後天的なものだと伺える。 「あなたは、こういうタイプの人なんだね」って言うこと、言われること カテゴライズされた結果、カテゴリの狭間で認識されない対象とされてしまうこと 「仕方ない」と言葉にしてしまえば、それは事実で。とても正しくて。 "いつ生活必需品が手に入るかわからない不安定な生活のなかで、人と人との距離が極度に近く助け合って生きており、互いに偏見のないフラットな関係に過ごしやすさを感じる野宿者もいるようだ" 「ホームレス」ときいて、ほとんどの人が想像するのは、中高年の男性だ。 実際に女性を見かけることは本当に本当に少ない。 本書に紹介されている野宿女性たちは、性役割に徹して自身のパートナーや同じ公園に住む人々とうまく協力して生きる姿として描写されているかと思えば、男顔負けなほど仕事をがんばって自分の手で稼ぎ生きる姿として描写されていたりもする。 少なくない数の女性が、「仕方なく野宿をしている」のではなく、部分的にでも自分の意思で野宿生活を継続することを選択して生きている。 その理由のひとつには、社会生活では差別や嘲笑の対象になりうるハンディキャップ、 例えば「小学校へあまり通えなかったため文字が読めず、計算も苦手である」、 などを野宿者たちは笑わず受け容れてくれるという環境もあるだろう。 「野宿」という、極度に生活必需品の不足した環境で、 自分に余裕がある時は他人を助ける、という道徳規範を大切にすることは、 自分に余裕がない時に他人に助けてもらえる、というリターンを大いに含んでいる。かと思えば、 彼らはまた、いとも簡単にコミュニティを捨て居住地を変えてしまう、糸の切れた凧のようでもある。 "精神面に不安定さが目立つ方も多く、「一貫した自己」は生きるなかで形成される後天的なものだと伺える。" 支援の手に繋がった野宿者は、時として「生活保護の申請をし、定住生活に移行するか否か?」という選択に直面する。 彼らは、複数の支援者にさまざまなシステムを紹介され選択を迫られるわけだが、その際の選択に一貫性がみられない場合も多い。 そもそも「一貫性」とは何か。 法律の側面から人間の行動を考えるとき、人間は「ある目的に適うよう、一貫した方針での選択を続ける存在」として設定されている。 では人間は果たして「一貫性」を持っているのか。 少なくとも、生まれた時に持っているものではないだろう。 安全な場で自分の気持ちを固める時間と余裕をもらい、利害両面から考えることができて初めて、生まれる考え方の芯だ。 しかし、説明をすべて理解し自分の中で再構築し利害両面を抽出し考えるというのは容易なことではない。 わたしたちは、毎日迷いながらいくつかの決断をし、ときにはそれを撤回し再考しながら生きてゆく存在である。つまり、わたしたちを、完全に一貫的な人間であると言うことはできない。 野宿者は、さまざまな困難を抱えている。経済的な困難はもちろんのこと、家族の問題や、身体障害や知的障害、発達障害なども複合して抱えていると推測される方は少なくない。考えるうえで他の人よりも多くのファクタを抱える彼らに、当然の性質であるかのように完全な選択の一貫性を求めるのは酷なことではないか。 これは野宿者のみに当てはまる言い方ではない。 女性支援、障碍者支援、他にもさまざまな支援に関わる人みなに言えることだ。 すべての人が、さまざまな選択をしさまざまなカテゴリに入ったり出たりしながら生きている。 一度の選択でカテゴライズし、安易に対象を固定して見ることで自己一貫性を求めるのではなく、 「迷えるひとりのあなた」が幸せになれるような選択とそのやり直しを、根気強く応援できる人でありたい。

Posted by ブクログ

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