てのひらの宇宙 星雲賞短編SF傑作選 創元SF文庫

アンソロジー(著者), 筒井康隆(著者), 荒巻義雄(著者), 小松左京(著者), 神林長平(著者), 谷甲州(著者), 大森望(編者)

• 販売会社／発売会社: 東京創元社
• 発売年月日: 2013/03/22
• JAN: 9784488738037

商品レビュー

2021/10/22

創元SF文庫から出ている「星雲賞受賞作アンソロジー」。

ちょっと前に読んだ「ここがウィネトカなら、きみはジュディ　時間ＳＦ傑作選 (ＳＦマガジン創刊50周年記念アンソロジー)」のテッド・チャンやプリースト、スタージョンなんかもいいけど、昭和・平成の日本SF界もやっぱり凄い。
賞を取ってるからとも思うが、どちらの編集者でもある大森望氏「あとがき」の、「あっちはプロが選んだ秀作だけど、こっちはファンが選んだ傑作」ってのも、わかる。

もう最初の「フルネルソン（筒井康隆）」なんて、よく第一回目の受賞作としたよね。いまだから「チョイチョイやってるヤツやん♪」って思うけど、当時はどうだったんだろう。

それに、アンソロジーは、ときどき自分の範疇になかった作家との出会いがある。
今回は「そばかすのフィギュア」菅浩江氏。ほかの本も読んでみたくなった。
あと、大槻ケンヂさん！すごいです。

SF小説を作るときって「知識」「構成力」よりも、「ひらめき」「度胸」じゃないかって。特に短編となると、最後はエイヤーって思いきってる感じで
……ホント、面白いよねー。

2020/04/11

あの大森望さんが編纂したSF短編集。収録されるのは、星雲賞を受賞した短編たち。

あまり期待せずに読み始めたところ、案外よかった。短いながらもストーリーや世界観のあるSF短編が多く、楽しみながら読めた。

三体や息吹など、海外SFが流行している昨今だけど、国内のSF小説の魅力を再発見できたような気分。

以下に、各短編のジャンルを主観で書いてみる。

フル・ネルソン: 言葉遊び、レトリック
白壁の文字は夕日に映える: 超能力、精神医学SF
ヴォミーサ: ロボット、サスペンス
言葉使い師: 言語、ディストピアSF
火星鉄道十九: 宇宙もの
山の上の交響楽: 音楽、異世界系SF
恐竜ラウレンティスの幻視: 太古の恐竜、文明興亡
そばかすのフィギュア: 人工知能、青春もの
ぐるぐる使い: 民俗学、超常能力
ダイエットの方程式: コミカル、宇宙航行
インデペンデンス・デイ・オオサカ: 多次元宇宙、ファーストコンタクト、コミカル

また、大森望さんの解説によって、星雲賞について理解することができるのも本書の良いところ。併せて、日本のSFシーンの軌跡を垣間見ることができる。

（書評ブログも宜しくお願いします）
https://www.everyday-book-reviews.com/entry/%E6%98%9F%E9%9B%B2%E8%B3%9E%E7%9F%AD%E7%B7%A8SF%E5%82%91%E4%BD%9C%E9%81%B8_%E3%81%A6%E3%81%AE%E3%81%B2%E3%82%89%E3%81%AE%E5%AE%87%E5%AE%99_%E5%A4%A7%E6%A3%AE%E6%9C%9B

2018/10/10

学生時代に読んでいた懐かしい作家が多かった。谷甲州、梶尾真治、草上仁、大原まり子はまた読みたいけど、けっこう絶版になってるしなぁ。