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最後に見たパリ
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最後に見たパリ

エリオットポール【著】, 吉田暁子【訳】

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最後に見たパリ

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社
発売年月日 2013/01/25
JAN 9784309206080

最後に見たパリ

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商品レビュー

5

4件のお客様レビュー

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2017/03/19

2016年に出会った本の中で、最も感銘を受けた本。パリに住む市井の人々の暮らしを、米国人ジャーナリストがシニカルな表現を多用しながらいきいきと描いている。一次大戦後のパリ中心部での暮らしは、今の私たちが憧れるようなものではなく、喧騒や悪臭に満ちた人間臭いものだったとわかる。

Posted by ブクログ

2013/11/30

パリのとある小路から見た第一次大戦後から第二次大戦まで。ユシェット通りに住んでいたアメリカ人記者からみた、通りに住む人々の描写。いろんな背景をもったいろんな人が出てくるけど、各章に出てきて終わりかと思っていたら、本の最後まで、時代の流れの中で起こる、それぞれの人についてのいろんな...

パリのとある小路から見た第一次大戦後から第二次大戦まで。ユシェット通りに住んでいたアメリカ人記者からみた、通りに住む人々の描写。いろんな背景をもったいろんな人が出てくるけど、各章に出てきて終わりかと思っていたら、本の最後まで、時代の流れの中で起こる、それぞれの人についてのいろんな出来事が描かれていた。世界史で知ってるこの時代の出来事、ヒトラーとかムッソリーニがしたこととかフランスの関わりとか、等身大でみるとこういうことなのか、と、結局陳腐な言葉でいえば、本当に面白かった。戦争関係以外の、おしゃべりとか、日常の生活にまつわるいろんな描写とか、そういうのも読んでてたのしい。第二次大戦がはじまって進むにつれ、通りの雰囲気もだんだん戦争色が濃くなっていくのは悲しいけれど。

Posted by ブクログ

2013/06/18

セーヌのシテ島、サン・ミシェル広場に程近いパリ・ユシェット通り5番地オテル・デュ・カヴォー。本書は、その一室で1923年からナチ占領直前の18年間を過ごしたアメリカのシカゴ・トリビューン特派員による珠玉のような人情風流譚である。 そこに描かれているのは夜毎カフェに集って議論に花...

セーヌのシテ島、サン・ミシェル広場に程近いパリ・ユシェット通り5番地オテル・デュ・カヴォー。本書は、その一室で1923年からナチ占領直前の18年間を過ごしたアメリカのシカゴ・トリビューン特派員による珠玉のような人情風流譚である。 そこに描かれているのは夜毎カフェに集って議論に花を咲かせる金持ちマダムや貧乏プロレタリアート、花屋や大工や給仕や女中、僧侶、官吏、やくざ、娼婦の老若男女、町内の住人たちのいきいきとした生態。大戦間のひとときの平和を享受しながら、人を愛し、かつ憎み、普段着の生活を愛し、パリを愛する庶民たちのまことに個性的で愛すべきいきざまである。 しかし戦後のしばしの平和はたちまち終わりを告げ、第2次世界大戦の不吉な足音がひたひたと迫ってくる。スペインの共和国政府に挑むフランコ反乱軍を支援するムッソリーニとヒトラー。そして内政不干渉という名目で彼らファシストを間接的に支援する英国、その英国による圧力によってスペイン支援の絶好のチャンスを見逃して国内の内紛に血道を上げるフランス。 戦争の予感が巷にみなぎり、それまで平和的に呉越同舟していた町内の人々が右翼と左翼に別れて激しくいがみあうようになるくだりは、なにやら本邦の10年後を先取りしているようで胸苦しいが、それから間もなく血なまぐさい戦争が、ユシェット通りを覆いつくすのである。 ジャーナリストである著者の鋭い眼は、当時のパリの暮らしのみならず文藝や美術、音楽、料理やファッションについて簡潔にして要を得た見事な報告を聞かせてくれるが、独伊枢軸ファシズム体制の前にずるずると後退を余儀なくされるフランスのあまりにも脆弱で無防備な政治的・経済的・軍事的無為無策の数々についても見逃すことなく、ヒトラー巴里進駐の屈辱の日までの歴史を冷徹に描き出している。 しかしもっとも読者の心を揺るがすのは、著者と才色兼備の少女イアサントとの魂の交流と悲劇的な別れだろう。この本からは、最晩年のドゥ・パハマンが、イアサントだけのためにサル・ガヴォーで弾いてやったショパンのへ短調ノクターンの調べが聴こえてくるようだ。 恐らくこれほどパリの下町とそこに生きる人々の哀歓を捉えきった作品はこれまでもなかったし、これからもないだろう。「ヨーロッパの一つの文化的頂点であった時代のパリが、その匂いや木の葉のきらめきとともにここに収められている」と吉田健一が讃えたのも宜なるかな。 神社裏のわれのみぞ知るイワタバコ根こそぎ取られて跡かたもなし 蝶人

Posted by ブクログ

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