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一九三四年冬 乱歩 創元推理文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
| 発売年月日 | 2013/01/21 |
| JAN | 9784488427115 |
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一九三四年冬
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一九三四年冬
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商品レビュー
3.7
13件のお客様レビュー
推理作家はたくさん好きな作家がいるのですが、個人的にはエラリー・クイーンと江戸川乱歩はその中でも特別な存在なのです。 ただ、この 2 人(エラリー・クイーンは正確には 2 人のペンネーム)は、後期になって、いわゆる「ネタぎれ」に苦しんでいるのが、ありありとわかってしまって、全盛...
推理作家はたくさん好きな作家がいるのですが、個人的にはエラリー・クイーンと江戸川乱歩はその中でも特別な存在なのです。 ただ、この 2 人(エラリー・クイーンは正確には 2 人のペンネーム)は、後期になって、いわゆる「ネタぎれ」に苦しんでいるのが、ありありとわかってしまって、全盛期の作品がすばらしかっただけに、読んでいてつらくなる程でした。 やはり、初期~中期というのが全盛期だったのかもしれません。 この小説の作家、久世光彦さんは、昭和の推理小説に大変詳しい方ですが、やはり江戸川乱歩は『目羅博士の不思議な犯罪』までだと思っている、と別のところで書かれていて それには私も同感です。 乱歩も「大作家」となってしまうと雑誌の期待をあおるような予告が大きくなり、そのプレッシャーに耐えかねて、原稿が間に合わない(いわゆる原稿を落とす)事もあって、編集者泣かせだったそうですし、自宅から姿をくらましてしまうということも事実何度かあったそうです。 久世さんはその「スランプで追い詰められて失踪した乱歩」がどこで何をしていたかを全くの創作で作り上げてしまいました。 以前から、乱歩が気になっていた麻布の「張ホテル」という西洋館ホテルに逃げ込んだ乱歩。 ホテル唯一のボーイ、ヘリオトープの香りをはなつ中国人の美青年、翁華栄(オウファーロン)に魅入られるようにして入ってしまった家出中の乱歩。 謎めいたホテルにひきよせられて、謎に巻き込まれてしまう、推理小説の大家、乱歩が主人公の幻想ミステリです。 都心にいるのに家族や編集者がまず、わからないホテルに隠れ、子供っぽくワクワク喜んでしまう反面、やはり書かねばならないという焦りと不安・・・この物語での乱歩は実に小心者です。 この物語は大変、凝っていて昭和 10 年ころの推理小説や文壇のウンチクもさることながら、このホテルで様々なインスピレーションを得て、筆が進むということになるのですが、ここで、久世さんが、「いかにも乱歩が書きそうな乱歩そのもの」の小説『梔子姫(くちなしひめ)』 を創作してしまい、この『梔子姫』の物語も同時進行していく、といった遊びに満ちています。 また、ホテルにいる謎のアメリカ人女性、ミセス・リーとの出会い江戸川乱歩、という名前は、エドガー・アラン・ポオを漢字にしたものであるくらい乱歩はポオが好きなのですが、ポオの「アナベル・リー」という美しい詩の世界にマンドリンを つま弾くミセス・リーをだぶらせてしまう。 猫のようにしなやかで、いつも乱歩を見抜いているようなボーイの翁青年、ミセス・リーの美しさ、その夫のミスター・リーという謎人物・・・だんだん、乱歩はリー夫妻の秘密に巻き込まれ、また小説『梔子姫』の行方もどうなるか・・・という大変、手の込んだ、遊びに満ちた物語です。 乱歩が好きな人はたくさんいると思うのですが、ここまで、できる人はそうそういない、と思います。 乱歩の世界を守りつつ、立派な江戸川乱歩論でもあり、しっかり久世さんの好む耽美と背徳の世界が、実に美しい文章でつづられた夢のような小説です。
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- ネタバレ
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江戸川乱歩という人物が連載に行き詰まり、あるホテルに滞在した記録をもとにした二次創作? 文体や話中に出てくる小説なども寄せているようだが、そんなに詳しくないのでその辺は良く分からなかった。 宿泊したホテルは鍵がかかっているが、どうも人の気配がするという謎と、乱歩が着手した梔子姫という小説がこの小説内で執筆されていき、それがどう展開するのかを追う二本立てで話が進んでいく。 乱歩が体験していること、考えていること、妄想していること、夢で見ていることに加え、執筆中の梔子姫の文章が加わり、さらに話の脱線が激しいので、数階建ての迷路みたいな文章だなと思った。ホテルに滞在している人物からヒントを得て小説の執筆が進んでいく様や、乱歩自身の奇怪な行動、特殊な性描写なども入り乱れてカオス。 とりあえず、猫を出迎えるために床に牛乳を垂らして一緒に舐めるのはやめた方がいいんじゃないかと思った。
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江戸川乱歩が実際に失踪した4日間のホテル暮らしを下地にした本作。ホテルでの生活中に書かれる作品の幻想性と内省する中年作家の現実性のギャップがすごく良かった。 乱歩の夢見た奇々怪々な夢想世界はこんな感じだったのかもしれないと思え、またスランプや中堅作家としての今後に自信喪失している...
江戸川乱歩が実際に失踪した4日間のホテル暮らしを下地にした本作。ホテルでの生活中に書かれる作品の幻想性と内省する中年作家の現実性のギャップがすごく良かった。 乱歩の夢見た奇々怪々な夢想世界はこんな感じだったのかもしれないと思え、またスランプや中堅作家としての今後に自信喪失している姿はいかにも乱歩らしいなと思いながら読めました。
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