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ケンブリッジ・シックス ハヤカワ文庫NV
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 2013/01/11 |
JAN | 9784150412753 |
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ケンブリッジ・シックス
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商品レビュー
3.5
12件のお客様レビュー
予想以上の面白さ。ストーリーはネタバレするので割愛するか現代のイギリスのロシア史専門家がとあることでイギリス諜報機関が秘匿するロシアな関する秘密を解明することになるが、その過程で当時の関係者が一人また一人と暗殺されていく、迫り来る輪の恐怖か物語終盤のスリリングかつスピード感あるス...
予想以上の面白さ。ストーリーはネタバレするので割愛するか現代のイギリスのロシア史専門家がとあることでイギリス諜報機関が秘匿するロシアな関する秘密を解明することになるが、その過程で当時の関係者が一人また一人と暗殺されていく、迫り来る輪の恐怖か物語終盤のスリリングかつスピード感あるストーリー展開になり、読み応え充分である。ただ、二つの時制を紐解くため登場人物や場面が飛び飛びにならざるを得ず、序盤の難解さはいなめない。
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スパイ小説は当たり外れが特に多いジャンルで、ル・カレやグリーンを継ぐ、フォーサイスと比肩する、注目の大型新人登場など、威勢の良い宣伝常套句の大半は眉唾物なのだが、中には大傑作も当然含まれているため、読書リストから外すわけにはいかない。だが、翻訳で500ページを超える作品が中盤に行...
スパイ小説は当たり外れが特に多いジャンルで、ル・カレやグリーンを継ぐ、フォーサイスと比肩する、注目の大型新人登場など、威勢の良い宣伝常套句の大半は眉唾物なのだが、中には大傑作も当然含まれているため、読書リストから外すわけにはいかない。だが、翻訳で500ページを超える作品が中盤に行き着くまでもなく完全に駄作だと分かった場合、放り出すことなく「何故駄目なのか」に着目して読み進めることがある。2011年発表の本作も同様。前評判のいい加減さを見事に証明するもので、後半は溜め息をつきつつ、逆に「この小説の面白さが分からない」私は読解力が足りないのだろうか、と不安を覚えたほどだった。 カミングは英国秘密情報部に「リクルートされた」経歴を持つらしいが、最近では元スパイという肩書き自体珍しくなく、その経験が生かされるかどうかは、当然「作家」としての素質/才能に依る。題材となる英国秘密情報部の汚点「ケンブリッジ・ファイブ」は散々使い古されており、5人組以外にも二重スパイが存在したかもしれないという設定も安易だ。敢えてこのテーマに挑戦するからには、斬新な切り口と意外性を組み入れ、料理の仕方に相当の腕を要求されるところだが、本作に関しては素材もスパイスも料理人も凡庸で味も素っ気もない。 さぞや6人目のダブルスパイが再び英国を揺るがす脅威となり、「国際情勢を左右する事実」がどのような顛末を辿るかにも大いに期待していたのだが、結末を読み終えても一切分からない。というよりも、プロットは早々に破綻しているため、間抜けな登場人物らがひたすらに空回りする笑えない滑稽さのみが記憶に刻まれていく。終始、主人公のとぼけた歴史学者が「重大な秘密」を探るために身勝手な汗をかきつつヨーロッパを右往左往して要らぬ騒動を巻き起こし、それをヒロインらしき工作員が何のメリットがあるのか皆目不明なままフォローする。終盤に至っては出来の悪いパロディーで、つまらない物語をさらに最低のレベルへと引き下げている。単に呆けた老人に振り回されていたという醜態。何ら得ることが無くても、大きな秘密を握ったらしい主人公は、英露にとっては多額の口止め料を支払う価値を持つ人物となったようなのである。慰謝料や生活費で借金まみれの主人公には大助かりの結末なのだが、単なる道化を恐れる理由が何一つとして伝わらない。「ケンブリッジ・ファイブ」との関わりや秘史も皆無で、著者はSISに主人公と同じく箝口令でも敷かれているのだろうか、と馬鹿なことを考えて憂さを晴らすしかない。 まとまらないプロット、全編緊張感に欠け、展開も違和感しか残らない。さらに、視点が脈絡を無視して変わるため、いま誰の言動を読んでいるのか混乱する。要は使い手によっては効果を上げる技法が、完全に失敗している。登場人物は多いのだが、造形が浅く、主人公をはじめとして魅力的な人物は皆無だ。 相変わらず某サイトでは、絶賛のレビューが溢れていたのだが、この程度の凡作で楽しめることが不思議でならない。そもそも、どんでん返しなどあっただろうか。もしくは、私は別の作品を読んでしまったのだろうか。
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キム・フィルビー、アンソニーブランド、ガイ・バージェス、ドナルド・ マクリーン、ジョン・ケアンクロス。イギリスの名門・ケンブリッジ 大学に在籍した5人は、卒業後、外務省やMI5などに職を得た。 イギリス政府の為に働くのは表の顔。実は大学在学中にソ連の 情報機関にリクルートされ、...
キム・フィルビー、アンソニーブランド、ガイ・バージェス、ドナルド・ マクリーン、ジョン・ケアンクロス。イギリスの名門・ケンブリッジ 大学に在籍した5人は、卒業後、外務省やMI5などに職を得た。 イギリス政府の為に働くのは表の顔。実は大学在学中にソ連の 情報機関にリクルートされ、祖国とその同盟国の情報をソ連に 流していた。 1950年代に彼らのスパイ活動が露見すると、イギリスには大きな 衝撃が走った。と、ここまでは実際にあった出来事。 後に「ケンブリッジ・ファイブ」と呼ばれるようになる5人に劣らぬ スパイ活動をしていた第6の男がいたというのが本書の導入部。 主人公は財政厳しい歴史学者のギャディス。ロシア東欧の専門家 だ。本を書いて一発当てないと、別れた妻とスペインに住む娘の 学費も払えなくなる。税金も滞納しているし、さぁ、どうしたものか。 そんなギャディスに持ち込まれたのが親友である女性ジャーナリスト、 シャーロットからの共同執筆の提案。第6の男の話を書いてみないか? ギャディスにとっては渡りに船。だが、彼女は直後に急死してしまう。 ひとりで調査を試みることになったギャディスだが、生前にシャーロット が第6の男の件で接触した情報提供者や、何かしらの情報を持って いると思われる人物が次々と死んで行く。 そして、第6の男の存在を探るうち、厳重に封印されたロシア大統領 の秘密に辿り着き、自身の命どころか愛娘の命さえ脅かされそうに なる。世界が引っくり返るような秘密とはなんなのか。 という訳で、途中から第6の男からロシア大統領の秘密に主題が 切り替わってしまうのだが、最後の2ページでにんまりしちゃった。 展開が早く、ギャディスがどうなるのか気になって物語に引き込まれ る。ただ、ころころと話の視点が変わるので混乱したこともしばしば。 そして、本書に出て来るロシア大統領がまるっきりプーチン閣下なの である。KGBの出身、批判的なジャーナリストの暗殺、強いロシアの 再建。本書では「プラトフ」という名前なのだが、「プーチン」に置き換え て読んでしまった。 スパイ小説と呼ぶには主人公がスパイじゃないので少々苦しいが、 スパイ絡みのサスペンスならいいかも。 あ、ロシア大統領の最大の秘密と言っても、プーチン閣下が暗殺を 指示した証拠ではありません。念の為。 フォーサイスやル・カレには及ばないけれど、それなりに楽しめた。 映画にしたら面白んじゃないかな。
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