商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | PHP研究所 |
発売年月日 | 2012/08/08 |
JAN | 9784569806495 |
- 書籍
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調印の階段
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調印の階段
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職業 外交官 そう胸を張っていえる外交官は、いまの日本にいるのだろうか? 重光葵の名前は知っていた。 戦艦ミズーリの艦上でポツダム宣言受諾のサインをした外務大臣。 足を引きずっている映像が、記憶に残っていた。 そして、東京裁判では有罪となった。と、そのくらいのぼんやりした認識し...
職業 外交官 そう胸を張っていえる外交官は、いまの日本にいるのだろうか? 重光葵の名前は知っていた。 戦艦ミズーリの艦上でポツダム宣言受諾のサインをした外務大臣。 足を引きずっている映像が、記憶に残っていた。 そして、東京裁判では有罪となった。と、そのくらいのぼんやりした認識しか持っていなかった。 明治時代に日本国を動かした政治家、官僚、そして企業家の中には、まず日本国、そして国民のためにはなにがベストかを考え行動した人たちがいたとおもう。 そして、重光葵も間違いなくそのうちの一人であった。 外交官は武力による戦争を避けるよう最大限の努力をする。そして、戦争が始まってしまった場合はなるべく早く終わらせるよう最大限の努力をする。 重光葵が外交官であった時代は、日本が中国との戦いを始め、そして太平洋戦争に進んでいく時代であった。 その戦争が続く中で、それでも日本のために他国との交渉を続ける外交官たち。 現在の政治家、官僚たちのなかに、このように自分の利益よりさきに国(=国民)のことを考え、行動するものはいるのだろうか? そんなことに思いをめぐらすと、軽く暗澹たる気持ちになる。
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今年読んだ小説の中でもとりわけ価値があった本。戦後史で取り上げられることの多い吉田茂などと比べると、「重光葵」は今の世代には知られていないであろうが、彼は日本人にとって格別の存在であるべき人である。その生涯や時代背景をよりわかりやすく伝えられる「小説」という形で世に送り出してくれ...
今年読んだ小説の中でもとりわけ価値があった本。戦後史で取り上げられることの多い吉田茂などと比べると、「重光葵」は今の世代には知られていないであろうが、彼は日本人にとって格別の存在であるべき人である。その生涯や時代背景をよりわかりやすく伝えられる「小説」という形で世に送り出してくれたことに感謝したい。政治家や官僚、それらを目指す人々には、重光や当時の政治家のことを知って、歴史から多くを学んで外交に生かして欲しいと思う。 特に、後半のポツダム宣言受諾や国際連合加盟に至る外交経緯については、歴史に関心のある人だけでなく、もっと一般に知られて語られて然るべきものと思う。これまでNHKのドキュメンタリー番組で取り上げられたことはあっても史実重視の固い内容であったであろうが、小説化されたことでドラマ化されることがあれば、このような史実もより馴染みやすいものになると思う。白洲次郎や吉田茂のドラマに続くものとしてNHKが本作を取り上げることがあれば観てみたい。
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歴史とは勝者が語り残すもの。 しかし、その歴史に埋もれてしまっている個人は無数にいる。 己が良心、気概に基づく闘いの連続の生涯、その一つとして昭和の外交官・重光葵を描いている。 (引用) 「願わくは御国の末の栄え行き 我が名さけすむ人の多きを」 重光は事あるごとに歌を...
歴史とは勝者が語り残すもの。 しかし、その歴史に埋もれてしまっている個人は無数にいる。 己が良心、気概に基づく闘いの連続の生涯、その一つとして昭和の外交官・重光葵を描いている。 (引用) 「願わくは御国の末の栄え行き 我が名さけすむ人の多きを」 重光は事あるごとに歌を詠む。あんな少年たちが大人になった暁には、日本は焼け野原から立ち直り、世界の一等国として繁栄を極めていてほしい。なぜ重光葵は、あのような屈辱的な調印をしたのかと、人々が蔑むほどに、立派な国になっていてほしい。心からそう願って、筆を置いた。 今まで重光の前に、幾多の階段が立ちはだかった。思えば上海新公園の式台の階段は、自分の両足で昇った最期の階段になった。 福岡から別府に向かう列車のステップは、馴れぬ松葉杖と義足で、汗をかきながら昇った。ロンドンのバッキンガム宮殿に向かう馬車のステップは、高さがあって、少し厄介だった。東京大空襲の夜には、防空壕の暗闇に続く梯子段を、注意深く降りた。 もっとも苦労したのが、忘れもしない戦艦ミズーリの階段だ。段の間から、はるか下に、紺碧の海面がのぞいていた。 そして今、国連総会の階段を降り切った。重光にとって最後の障害を、とうとう乗り越えたのだ。 (内容紹介) 日本史上、もっとも不名誉な“仕事"を買って出た男――降伏文書への調印を行ない、戦犯になったことで、不当に低い評価を受けている昭和の外交官・重光葵を描く長篇小説。 1931年、駐華公使だった重光葵は上海で爆弾テロに遭い、右脚を失う。そこからの彼の人生は苦難の連続であったが、目の前に立ちはだかる“階段"を重光はひたすら登り続けた。 外交の第一線に復帰した重光は、日中戦争を終結させて孤立する日本を救おうと奔走するも、対米英戦争へと突入してしまう。外務大臣となった彼は大東亜会議を実現する一方で、戦争終結に向けて動いたが、戦局は悪化の一途を辿った。 敗戦直後に再び外務大臣となった重光は、誰もが尻込みする降伏文書に調印する役目を引き受け、マッカーサーとの交渉も成功させる。戦犯として服役後には外務大臣となり、国際連合への加盟という大仕事をも成し遂げたのだった。 重光葵の激動の生涯を掘り起こして光を当てた力作。
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