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カオス・シチリア物語 ピランデッロ短編集 エクス・リブリス・クラシックス
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 白水社 |
発売年月日 | 2012/07/23 |
JAN | 9784560099049 |
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カオス・シチリア物語
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カオス・シチリア物語
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商品レビュー
3.9
8件のお客様レビュー
映画は見ていないので、この本が物語の”初見”。19世紀末~20世紀初頭のイタリア。時代なりの貧しさと、農民と貴族の身分差や家父長制、地域によるさまざまな違い。リソルジメント直後の混迷期を過ごした著者の世界観が読み取れる。滑稽さと切なさ、その時代をさまざまな思いを抱えて生き抜いた人...
映画は見ていないので、この本が物語の”初見”。19世紀末~20世紀初頭のイタリア。時代なりの貧しさと、農民と貴族の身分差や家父長制、地域によるさまざまな違い。リソルジメント直後の混迷期を過ごした著者の世界観が読み取れる。滑稽さと切なさ、その時代をさまざまな思いを抱えて生き抜いた人々へのあたたかい眼差しに救われる。 それぞれの物語はもちろん興味深いが、一番印象に残ったのはエピローグの登場人物との対話。オーストリアとドイツとの戦争に向かっていく社会情勢をジリジリとしながら注視する”著者”に対してなされる語り。戦争なんかどうでもよい。なにもかもが移ろいゆく…。戦争という現実のできごとによってすべてが変わるはずだと信じているかもしれないが、現実は現実に過ぎない。うつろいゆくもの。それを超えることができなかった個々の人間を巻き込んで過ぎ去っていく、と。21世紀の現在にも通じる普遍的な文章だ。 母との対話で語られた「死を悼むこと」の意味。死者を悼むというより、その人の中で死んでしまった自分自身を悼んでいるのだと。そうかもしれない。 「いくつかの務め」は、月明かりのない夜に街灯にランプで火を灯すという仕事の存在が前提になっていて、その上に展開していく話だが、点灯夫という仕事がある、そういう時代背景そのものが、今の読み手にとってはすでに情緒豊かな絵になっている。当時の読者とは感じ取るものが異なっているかもしれない、と思いながら読んだ。
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時には滑稽さや喜びもあるが、全体を通して「痛み」を感じる作品が多く、シチリアの庶民たちの生活が偲ばれる。特に、家父長制の強い地域で、犠牲となるのは女性たちだ。『もうひとりの息子』の悲惨な性犯罪のトラウマも、『長いワンピース』の悲しき少女の選択も、現代にまで続くある種普遍的な悲劇で...
時には滑稽さや喜びもあるが、全体を通して「痛み」を感じる作品が多く、シチリアの庶民たちの生活が偲ばれる。特に、家父長制の強い地域で、犠牲となるのは女性たちだ。『もうひとりの息子』の悲惨な性犯罪のトラウマも、『長いワンピース』の悲しき少女の選択も、現代にまで続くある種普遍的な悲劇であり、そんなことが普遍的であることに愕然とさせられる。
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ビランデッロの作品に触れたく読んでみた。シチリアの風土や人物の素朴な生活を題材にしている。シチリアのレモンは、切なさを感じた。
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