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歌に私は泣くだらう 妻・河野裕子闘病の十年
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2012/07/20 |
JAN | 9784103326410 |
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歌に私は泣くだらう
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商品レビュー
4.3
16件のお客様レビュー
妻であり歌人である河野裕子の10年間の癌闘病。闘病記を数冊読んできたけれど、こんなに壮絶な物語は初めて。かなり赤裸々に書かれています。どちらも追い詰められている。でも、乗り越えていった。あそこまでお互いにさらけ出すことができる関係だったということでもあるし、お互いが真実にかけがえ...
妻であり歌人である河野裕子の10年間の癌闘病。闘病記を数冊読んできたけれど、こんなに壮絶な物語は初めて。かなり赤裸々に書かれています。どちらも追い詰められている。でも、乗り越えていった。あそこまでお互いにさらけ出すことができる関係だったということでもあるし、お互いが真実にかけがえのない存在であったということなのだと思う。 この本に記されている短歌が心を打つものばかり。短歌を作る才は無いけれど、作ることができたらどんなに素晴らしいかと思った。 著者の恩人市川康夫先生とのくだりも涙した。膵臓癌を患い、見舞うのはこれが最後かもしれない、だからどうしても「ありがとうございました」と言いたい。でも、どうしても出せなかった。言ったらお終い、別れの挨拶になってしまうから。平静を装って病室から出たら、突然市川先生の驚くほど大きな声が・・・「永田君、ありがとう」。 (以下本文より転載) 「ありがとうございました」。私も廊下から叫んだのだったが、こみあげてくる嗚咽のほうが強くて、それは声として市川さんに届いたかどうか。 これから死のうとしている人。その人への感謝の気持ちを伝えるということがこれほどむずかしいものであるとは。 様態はその夜に急変し、明け方近く、亡くなった。
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「あの胸が岬のように遠かった」を読んだのをきっかけに手に取った。 河野さんにとって歌を作ることが人生だったんだな〜としみじみ思う。抗がん剤の副作用がどんなに苦しくても、一つでも多く歌を残すためなら耐えますという強さ。だからこそ、最期の時が近づき医師からモルヒネを勧められても、夫...
「あの胸が岬のように遠かった」を読んだのをきっかけに手に取った。 河野さんにとって歌を作ることが人生だったんだな〜としみじみ思う。抗がん剤の副作用がどんなに苦しくても、一つでも多く歌を残すためなら耐えますという強さ。だからこそ、最期の時が近づき医師からモルヒネを勧められても、夫である永田さんは歌が書けなくなるとそれを断った。 一見残酷な選択のようだけど、歌人としての河野裕子を最も深く知る夫だからこその選択だったのだろう。 そして生まれた素晴らしい最後の一首、 「手をのべてあなたとあなたに触れたきに 息が足りないこの世の息が」 愛する人を残して死んでいく無念さが痛いほど胸に染みてくる。 もっと生きて、素晴らしい歌を作って欲しかったな〜。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
和田たんぽぽ読書会にて語り合う。OTさんは、短歌は難しかった、生きる事を赤裸々に描いてあると述べた。忍耐強い夫であり、息子がフォローしていると、自分の体験を含めて語った。 TKさんは、2回、興味のある所は3回、読んだそうだ。夫婦に愛憎がありながら、支え合い高め合う、同志・ライバルだった所に感銘したようだ。 僕は、2歌人の出会いから死別までを描いた、永田和宏の「たとへば君」(文春文庫)のある事と、この2冊は「伊勢物語」等の歌物語に通じる所がある、と述べた。 IYさんは、闘病史、家族史と読んだ。永田和宏の能力、体力、維持力を讃えた。 ATさんは、短歌を読むのは好きだが、詠まないとの事。自分が先に死んだら夫はどうなるのだろう、との共感を示した。 MMさんは、かつてアララギ系の歌誌「柊」の会員だった事、また夫との相聞歌があると述べて、皆の拍手を受けた。今もある献詠を続けているとの事。
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