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チャイコフスキーがなぜか好き 熱狂とノスタルジーのロシア音楽 PHP新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | PHP研究所 |
発売年月日 | 2012/02/16 |
JAN | 9784569803333 |
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チャイコフスキーがなぜか好き
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チャイコフスキーがなぜか好き
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商品レビュー
3.8
15件のお客様レビュー
女性作家によるエッセイ集を思わせるタイトルだが、中身は全然違う。 エピローグの「チャイコフスキーの死と真実」で、コレラ、暗殺、自殺とチャイコフスキーの諸説ある死について書かれてはいものの、チャイコフスキーについて書かれた本でもない。 では、どのような本か? 本書は大きく分けて次...
女性作家によるエッセイ集を思わせるタイトルだが、中身は全然違う。 エピローグの「チャイコフスキーの死と真実」で、コレラ、暗殺、自殺とチャイコフスキーの諸説ある死について書かれてはいものの、チャイコフスキーについて書かれた本でもない。 では、どのような本か? 本書は大きく分けて次の2つからなっている。 1.ロシア文学者を専門とする著者が、ロシア音楽について考察をめぐらしたもの 2.自己の思い出と共に自分の好きなロシア音楽を紹介 本書のメインは第3章から第5章までのロシア音楽紹介である。 そこで取り上げられている作曲家は17名である。その内訳は下記の通り。 【十九世紀のロシア音楽として下記の5名】第3章 ・グリンカ ・ボロディン ・ムソルグスキー ・リムスキー=コルサコフ ・チャイコフスキー 【二十世紀のロシア音楽として下記の5名】第4章 ・スクリャービン ・ラフマニノフ ・ストラヴィンスキー ・プロコフィエフ ・ショスタコーヴィチ 【知られざる現代ロシア音楽として下記の7名】第5章 ・デニソフ ・グバイドゥーリナ ・シュニトケ ・ペルト ・カンチェリ ・シルヴェストロフ ・チーシェンコ もっとも「知られざる現代ロシア音楽」は、作品数から見ても、ページ数から見てもおまけのようなもので、実質的には誰もが知っている10名の作曲家の略歴と、代表的な曲を紹介したにとどまっている。 ただ、その文章は読みやすいものではない。文学者だからというのこともないのだろうが、持って回ったような言い回しですっきりしない。端的にいえば冗長な文章である。個人的にはこのような文章は好きではない。このレビューの冒頭で挙げた「チャイコフスキーの死と真実」でさえ、真実は描き切れていない。その結びの言葉は、こう書かれている。 "チャイコフスキーが呪わしいと感じたのは、みずからのホモセクシュアリズムの事実ではなく、むしろ、エロスと情熱そのものの底に横たわる、不吉な死の影であったのかもしれない" 曖昧模糊としており、文学的にすぎる。 クラシック音楽ファンというよりは、亀山郁夫氏のファン向きの本なのであろう。
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ロシアの作曲家を概観。 グリンカは、ロシア音楽の西欧化の役割を果たした。ロシアの内容を西洋の形式によって、ロシア文化と西欧文化を融合した。バラキレフが音頭を取り、1860年代に登場した五人組は、より民族的な色彩の強い音楽創造をめざした。五人組は、国家のアイデンティティを強調する...
ロシアの作曲家を概観。 グリンカは、ロシア音楽の西欧化の役割を果たした。ロシアの内容を西洋の形式によって、ロシア文化と西欧文化を融合した。バラキレフが音頭を取り、1860年代に登場した五人組は、より民族的な色彩の強い音楽創造をめざした。五人組は、国家のアイデンティティを強調するため、ロシア中世の歴史と、ロシアの文化が本質的に帯びている東方的な性格に注目した。彼らが共同戦線を張ることができた背景には、同時代の革命運動であるナロードニキ運動に共感を寄せていたことがある。その運動が1870年代に入ると、急激にラディカル化して、五人組は独自の道を歩み始めた。 ボロディンはグルジア皇太子の非嫡出子として生まれた。作曲の世界に足を踏み入れたのは、30代半ばのこと。日曜作曲家を自称して、専門の化学に従事する傍らに作曲に励んだ。職務で多忙をきわめたため、「イーゴリ公」は完成に至らなかった。ポロヴェッツ人の踊りは補筆され、リムスキー=コルサコフが編曲。第三幕全体は、グラズノーフが再構成した。
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「好き」なものの背景を知ることができたのが良かった。音楽に限らず美術でも文学でも創り出されるには歴史や政治情勢や文化、信仰などの背景があり、私はそういった背景から生まれる曲想に惹かれているのかも。 また、自分の馴染みのない新しい音楽に触れられたのも良かった。現代ロシア音楽は、あま...
「好き」なものの背景を知ることができたのが良かった。音楽に限らず美術でも文学でも創り出されるには歴史や政治情勢や文化、信仰などの背景があり、私はそういった背景から生まれる曲想に惹かれているのかも。 また、自分の馴染みのない新しい音楽に触れられたのも良かった。現代ロシア音楽は、あまり馴染みがなく、今回本を読んだことで聴く機会につながった。ただ、聴いてみても良さがよくわからなかったりもした。 美術でも、古典作品に比べると現代美術作品は良さがよくわからなかったりするので、馴染みがないことにより、受け入れキャパシティが狭いのかもしれない。
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