第六ポンプ 新☆ハヤカワ・SF・シリーズ

パオロバチガルピ【著】, 中原尚哉, 金子浩【訳】

• 販売会社／発売会社: 早川書房
• 発売年月日: 2012/02/10
• JAN: 9784153350021

商品レビュー

2024/07/28

「手軽に非日常を体験できる」
という点では良い刺激であり、
娯楽だと思えるSF短編です。

『ポケットの中の法』
評価★☆☆☆☆
え？これから面白くなるんじゃないの？
というところで終わった作品。
映画の広告だけ体験したような感じです。

『フルーテッド・ガールズ』
評価★☆☆☆☆
楽器に人体改造された少女の話。
上記から分かるように
グロい表現が多いです。
食事の前後は読まない方がいいと思います。
双子の姉である女の子が主人公です。
終始自分の事しか考えない言動に違和感を覚えました。
残される妹の立場は？

『砂と灰の人々』
評価★★☆☆☆
人体改造や不老不死が
当たり前の荒廃した世界の話です。
動物好き、特に犬好きな方はショックをうけるような話なので、オススメはできません。
個人的には世界観は好みでした。
不老不死とかサイボーグ化とか好きなので。

『パショ』
評価★☆☆☆☆
独自用語が飛び交って
理解が追いつきません。
主人公が冒険するわけでもなく、
長々と会話しているシーンが多くて
気力がもたないかもしれません。
理解できたら面白いのかもしれません。

『第六ポンプ』
評価★★☆☆☆
世界の荒廃が徐々に進んでいく話。
人間の知能が技術の衰退と比例して低くなっていく世界観の描写は面白かった。
トログという生物は謎。
攻撃性がないのが不思議。

2023/06/19

読者は放り出される。
理解などおかまいなし

馴染みはある。
押井守の世界

未来なんて明るいわけがない！
甘っちょろい考えは、叩きのめされる。

徹底的に薄汚れた世界の中では、少しの灯りがとても大切なものに感じられる。
逆も真なのだろう……。

2022/12/04

ディストピアSF小説の短編10作品を収録した一冊です。
全作品が凄まじく濃い内容と世界観を持っていて、SF好きの私でも置いていかれるのではと不安になりました。
総じて中心に据えられているのは人類の衰退であり、進みすぎたが故の廃退とは違った停滞後の緩やかな滅亡が様々な視点から描かれているように感じました。
ダークなハードSFをお求めの方には強くお薦めします。