商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 太田出版 |
発売年月日 | 2012/01/27 |
JAN | 9784778312978 |
- 書籍
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痕跡本のすすめ
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痕跡本のすすめ
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商品レビュー
3.6
37件のお客様レビュー
「言葉はこうして生き残った」の河野道和さんがすすめていた本を紐解いた。痕跡本を読むことも本の愉しみ方のひとつだと思う。 著者は、とてもユニークな痕跡本を約60冊用意する。そこから様々な「物語」を読み解く。ただし、推理小説とは違って、「答え」はない。そういう推理小説は嫌いだと思う...
「言葉はこうして生き残った」の河野道和さんがすすめていた本を紐解いた。痕跡本を読むことも本の愉しみ方のひとつだと思う。 著者は、とてもユニークな痕跡本を約60冊用意する。そこから様々な「物語」を読み解く。ただし、推理小説とは違って、「答え」はない。そういう推理小説は嫌いだと思う人には物足らないかもしれない。私は考古学ファンで、いつも答えのないサスペンスに接しているようなものなので、「あゝこういう角度から、本という〈遺物〉も楽しめばいいんだ!」と再発見した。そしてこの本、「造り」という点でも様々な工夫があります。奥付にも仕掛けがある。装丁屋さんにも参考になりそうな本です。河野道和さんありがとうございました! 痕跡本には時に深い「物語」がある。特に本に書き込みをした年齢と手放した年齢との差を、古沢さんと同じように私も推理する。そこから、複雑な人生(妄想)が私の頭の中に展開されていくだろう。 「高橋亮子 ボクちゃんーその世界」(1977年)この「画集」に挟み込まれた画と同じ雑誌の切り抜き。わたしも一時期マンガ単行本を買い集めていたことがあるので、この人の気持ちもわかる気がする。 ‥‥18歳。新しい大学生活に膨大な雑誌は持っていけない。お母さんに言われた様に雑誌を処分することに決めた。中学生の頃から大好きだった高橋亮子先生の画集を買った。雑誌の処分の合間に画集と同じ絵を切り抜いて挟み込んだ。雑誌にはわたしの甘酸っぱい思い出の全てがある気がした。時を隔てて、2005年。46歳。子供に恥ずかしくて、隠してきたさまざまな趣味の本は一括して処分して、子供の自立を機会にわたしも自立する。‥‥などなど。 或いは、私の「蔵書」の「痕跡本」の行末を推理する。痕跡本なので、ひと山100円どころか、古本屋行きさえも検討されなくて、ブルドーザーがゴミとして処分する未来は、あえて見ない。私はスマホを手にする前は、本の終わりの奥付やカバーの裏に読んだ直後の感想を書くことが多かった。その後に「ワープロ」で清書すると、わりと良い書評がかけるからである。細かくびっしりと書いた痕跡本は、やがて私の蔵書が「◯◯文庫」として郷土の図書館に寄贈された後に、研究者の研究対象となる。やがて一冊の評伝にまとめられて‥‥いかん、妄想とはいえ書いていること自体が恥ずかしくなってきた。 これからは、ひと山百円のワゴンを見るのが楽しくなりそうだ。
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長年、古本を買い続けていたりすると、まれに‘傷物’と呼ばれる本に当たる。破れや汚れ、他にも文章にアンダーラインが引いてあったり、感想や落書きのようなものが書き込んであったりする。 古本屋では大抵安価で売られている、そのような‘傷物’の本にスポットを当て、‘痕跡本’と命名したのが...
長年、古本を買い続けていたりすると、まれに‘傷物’と呼ばれる本に当たる。破れや汚れ、他にも文章にアンダーラインが引いてあったり、感想や落書きのようなものが書き込んであったりする。 古本屋では大抵安価で売られている、そのような‘傷物’の本にスポットを当て、‘痕跡本’と命名したのがこの本の著者、古沢和宏さん。 愛知県の犬山市で【古書 五つ葉書房】という古本屋を開いている方だそうだ。 この方が秘蔵の‘痕跡本’たちを披露してくれるのだが、語り口が古本愛と豊かな妄想に満ちていて実に良いのだ。 例えば古沢さんを‘痕跡本’道に引きずり込んだ運命の本、前の持ち主の怨念を感じる『まだらの卵』日野日出志。 若輩者の私などはこんな本に当たったら、すぐに捨てるかなにかすると思うが、古沢さんは違う。 「この本に残された傷の正体、それは狂気などではなく、かたちを変えた日野さんへの愛そのものだったのかもしれません。」p014 古沢さんは、本というモノも好きなのだろうが、それ以上に人の気配、人の痕跡を愛しているんだろう、と思った。 私自身は本に書き込みを入れることを一切しないのだが(たぶん、幼い頃に絵本に落書きをして母親にしこたま怒られたのだろう)古本で‘痕跡本’をみつけると(いい意味でも悪い意味でも)当たりだ、と思う。 この前ネット新古書店で買った新書は、アンダーラインと感想(「そうだそうだ」「ww」など)が書かれていて、前の持ち主と一緒に読んでいるような、頭の中を覗いているような気分になった。 私も今度‘痕跡本’をみつけたら、いろいろ妄想してみよう。
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狙って買わなくても、思わぬ書き込みや紙モノが出てくる事もありますね。本はキレイに読みましょうという小学校の図書館での厳しい指導がトラウマで、いまだに自分では書き込みはしたことありませんが。
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