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資本主義以後の世界 日本は「文明の転換」を主導できるか
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 徳間書店 |
発売年月日 | 2012/01/23 |
JAN | 9784198633134 |
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資本主義以後の世界
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商品レビュー
4
32件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
全体的な感想は、今後の日本の在り方を考えるスタートポイントとして使える本、という風でした。 初めの資本主義の限界と中国の歴史および文化の可能性については非常にまとまっている印象ですが、最後のパートの今後の日本の在り方についてはややぼんやりとした印象・生煮えの印象があります。 一章から三章では、大航海時代より欧米では外の世界を志向していた事を述べています。アメリカ大陸の発見、アフリカ大陸の植民地化、中国やインドへの進出などがそれである。これらはすべて外の世界から収奪し、その収奪物を自国で資本として消費・利用することを意図している。第二次世界大戦と冷戦を経て今や超大国となり征服するフロンティアがなくなった現代、金融空間を開拓し、世界マネーを米国に還流させようとしたがリーマンショックをはじめとしてこれもストップがかかった。発売時の2012年、資本主義がこれからどこへ向かうのか分からず、方向転換なり新たな潮流が求められると主張。 また失われた20年の反省とそのトリックについても書かれています。戦後の占領時にマッカーサーの洗脳により自虐史観が構築され、以降日本を陰に陽にコントロールしようとし、官僚潰しや市場開放策などを米国が押し付けてきた(ないしは自虐的に日本自らが米国のいう事を守ろうとしてきた)点を指摘しています。このあたりは非常に啓蒙的であり、江藤淳が『閉ざされた言語空間』で述べている日本人観と似ていると思います。 中国の分析も面白く読みました。資本主義の正反対に位置する共産国の中国ですが、日本としては隣国。こことどう付き合っていくか。実は中国のこれまでのやり方は、端的に言うと欧米の制服・収奪モデルとは対照的であり、いわば朝貢・連帯モデルとでも言いましょうか、緩い紐帯のようなモデルであったとします。欧米のようにインディアン皆殺しではなく、歯向かわなければその地域は任せる、という弱い支配であった歴史を述べます。中国は、現在市場主義を導入しつつ、他方で国としての規制は強く、この点に欧米へ対抗していくための可能性を見出しているのだと思います。問題がないとは言えない国ですが、そのポテンシャルを買っているように思えます。ちなみに個人的には、その国の支配者層が自国をどう導くかをしっかり考えていることは重要だと思います。日本はこの点ではかなり危機感を覚えますよね。 日本を食い物にしようとする欧米、方や大国への階段を駆け上る中国、挟まれた日本はどうするか。6章~8章では今後の日本企業と日本のあり方を述べていますが、私はいまいち読み取れませんでした。「贈与」の文化の振興や脱原発などが述べられています。一つ一つのアイディアは面白いのですが、突然考えがホーリスティックになり、古き良き日本を礼賛するような書きぶりであると感じてしまいました。 とは言え国の将来ですから、答えが見えていれば簡単です。答えは見えませんし、その答えを考えるのは筆者のみならず、個々の日本人の責務だと思います。その意味でこの本は「俺たちの日本をどうするんだよ」という問題提起として捉えても良いと思いました。 以上纏めますと、この本は日本の将来や政治、国際関係などに興味がある方にはおすすめしたい本です。筆者の述べていることを信じるとして、じゃあ日本は将来どうすればいいのか、という焦燥感や危機感を持ちました。 加えて、資本主義の限界や欧米諸国の目論見を暴く部分は説得力がありますし、中国を対抗馬として持ってきてこれを歴史と自らの体験等を取り混ぜて説明する部分は私には新たな探求分野を教えてもらった気分です。参考文献も巻末に掲載されており、今後の読書に役立てられます。
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今現在もっとも素晴らしいとされている資本主義が行き詰まり、今後は転換が必要ではないかと問う本。 漠然と資本主義は社会主義よりも素晴らしいのだと思っていましたが、この本を読んでそうは言い切れないと思うようになりました。 確かに今後日本を始め欧米の国々も発展し尽くしてしまっており...
今現在もっとも素晴らしいとされている資本主義が行き詰まり、今後は転換が必要ではないかと問う本。 漠然と資本主義は社会主義よりも素晴らしいのだと思っていましたが、この本を読んでそうは言い切れないと思うようになりました。 確かに今後日本を始め欧米の国々も発展し尽くしてしまっており、成長は期待できない。ならばもっと違った価値観があるのではないかと。 あと10年で日本の2倍の経済規模になる中国。そして日本は今後どうなって行くのだろうと思うと、不安ながらも世界の変化を楽しみながら受け入れて生きていくしかないな、と開き直るしかないのでした。
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資本主義の発展、グローバリゼーションには、西洋による非西洋の収奪の側面があり、その第一段階は1945年の日本敗戦で幕を閉じた、という世界史を俯瞰した視座は興味深い。それらいわゆる欧米列強の提唱する資本主義は、一神教が支配宗教であるという社会的背景にも要因を求めている。 CSRの考...
資本主義の発展、グローバリゼーションには、西洋による非西洋の収奪の側面があり、その第一段階は1945年の日本敗戦で幕を閉じた、という世界史を俯瞰した視座は興味深い。それらいわゆる欧米列強の提唱する資本主義は、一神教が支配宗教であるという社会的背景にも要因を求めている。 CSRの考え方は経営そのものであり、専門組織を作っているようでは、まだお飾りに過ぎないということ。経営をとおしてCSRを実現するという、近江商人の三方よしの考え方に立ち返りたい。 後段のグローバル人材とドメスティック人材の区別には賛成。自らは前者でありたいが、求められる人材要件・期待される成果は極めて高い。日本発のグローバル企業として、何を強みとするか、さらにはそれを誰がマネジメントするか、は常に問い続けたい問いである。 東日本大震災以降、日本の社会・経済を見直し、世界的に交換思想から贈与思想にシフトしていくべき、というのは、日本の知識層における潮流なのだろうか。
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