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服従の心理 河出文庫
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服従の心理 河出文庫

スタンレーミルグラム【著】, 山形浩生【訳】

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服従の心理 河出文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社
発売年月日 2012/01/10
JAN 9784309463698

服従の心理

¥1,430

商品レビュー

4.4

42件のお客様レビュー

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2022/06/29

ミルグラム実験については名前しか知らなかったが、近所の書店のフェアで表に出ていて気になったので購入して読んでみた。気持ちの良い話ではないが、とても興味深くて自分の場合はどうだろうかと考えさせられる本だった。 権威に服従するモードに入ると普段のその人がするとは思えないような残酷な...

ミルグラム実験については名前しか知らなかったが、近所の書店のフェアで表に出ていて気になったので購入して読んでみた。気持ちの良い話ではないが、とても興味深くて自分の場合はどうだろうかと考えさせられる本だった。 権威に服従するモードに入ると普段のその人がするとは思えないような残酷な行為でも命令に従って実行できてしまうという心理学実験。権威に服従するというとナチスなどを思い浮かべやすいが、学校で起きるいじめとかでも同じようなことが起きていると思うと、明確な命令がなくても容易に服従してしまうのではないかという気がする。訳者あとがきの批判にあったように人間は残虐性を社会規範という権威によって抑えるようにしているだけなのかもしれない。 集団を作って生きていく上では服従の全てが悪というわけでもないが、会社でも、社会でも、自分が自律して行動できているのかどうか、服従モードに入っていないか、自分に問うていきたいと思った。

Posted by ブクログ

2022/05/29

異常に興味深い。 組織で言われる主体性が必要だ云々という話を前提からひっくり返す話でもある。 そもそも人は権威に従属するものであり、そういった進化を辿ってきている。 それは進化の過程で必須の要素であり、進化を経て強化された。 自律モードと、組織モードがあり、組織モードを「エージ...

異常に興味深い。 組織で言われる主体性が必要だ云々という話を前提からひっくり返す話でもある。 そもそも人は権威に従属するものであり、そういった進化を辿ってきている。 それは進化の過程で必須の要素であり、進化を経て強化された。 自律モードと、組織モードがあり、組織モードを「エージェント状態」と言い、 自身の価値観に関わらず盲信的に権威に従ってしまう状態で、これは社会的な動物としての生存有利性から発生していると。 一方道徳心・良心などといった個人に属するもの(と筆者はいい、訳者はそれも社会的な権威であるというし、それが正しいと思う)は、2次的なものになると。 訳者が権威をそもそも定義していないという話はその通りで,自身の感覚も含めると、権威とは「自分が知らないもっと上段の崇高な目的を知っていて状況に合わせて正しい判断ができる。またイレギュラーな決断においても責任が取れる」ということのみであり、単純に白衣を着てればおkということでもないと思う。 かなり示唆深いし、とくに「エージェント状態」の言語化は俊逸以外の何者でもない。

Posted by ブクログ

2021/12/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

個人の道徳観の力は、社会的な神話で思われているほど強いものではないっていう本。 この有名な実験について大枠しか知らなかったが、人や場所や状況等のパターンを変えてみたり、被験者の実験時の言動が細かく書いてあったりと、ミルグラム実験の詳細が知れる。 尚且つ元々の原文が良いのか訳者が良いのか最後まで飽きずに読める。 p.22〜p.23 道徳律の中で「汝、殺すなかれ」といった能書きはずいぶん高い位置を占めるが、人間の心理構造の中では、それに匹敵するほど不動の地位を占めているわけではない。新聞の見出しがちょっと変わり、徴兵局から電話があって、肩モールつき制服の人物から命令されるだけで、人々は平然と人を殺せるようになる。 p.67 あるいは過去には、物理的に近くにいる相手への攻撃的行動は、報復による懲罰をもたらし、それが最初の反応形態を打ち消したのかもしれない。一方、遠くにいる他人への攻撃は滅多に報復をもたらさなかったのかもしれない。 p.209 事前条件の中には、その個人の家族的な知見や、非人格的な権威システムに基づく一般的な社会環境、そして権威の遵守が報酬をもたらし、非遵守が罰につながるような報酬構想との長期的な体験がある。 エージェント状態 p.244 非服従の代償は、自分が信念を破ったという身を切られるような思いだ。 道徳的には正しい行動を選んだとは言え、被験者は自分が引き起こした社会的秩序の破壊に困惑したままであり、自分が支援を約束した目的を放棄したと言う感覚を捨て去ることができない。 自分の行動の重荷を感じるのは、従順な被験者ではなく、服従しなかった被験者なのである。 p.276 人は自分の独特な人格を、もっと大きな制度構造の中に埋め込むにつれて、自分の人間性を放棄できるし、また必ず放棄してしまう、ということだ。 p.303 いずれにしても、何か単一の気質面での性質が非服従と結びついていると思うのは間違っているし、親切で善良な人は反抗するが、残酷な人は反抗しないと思うのも間違っている。 目下のプロセスにはあまりに多くの点がありすぎ、またそれぞれに対して人格の各種構成要素が複雑な形で関係してくる可能性があるため、あまりに単純化しすぎた一般化はまったくできない。 さらに、それぞれの人が実験にもたらす成功は、行動の原因としておそらくほとんどの人が考えるほど重要ではないだろう。 というのも今世紀の社会心理学は大きな教訓を与えてくれるからだ。 その教訓とはつまり、しばしば人の行動を決めるのは、その人がどういう人物かと言うことではなく、その人がどういう状況に置かれるかと言うことなのだ、ということである。

Posted by ブクログ

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