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国家の退場 グローバル経済の新しい主役たち 岩波人文書セレクション
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2011/11/11 |
JAN | 9784000285155 |
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国家の退場
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国家の退場
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商品レビュー
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【書評】 「我々だけができる仕事は限られている。もはや国民経済の面倒は見きれない」このように政治家が主張する時代が来たのか?それは国家の責任の放棄か敗北宣言か?国家に変わって誰が責任を取るのか?市場対国家の壮絶な闘いが世界中で繰り広げられる現在、本書の価値は高まっている。 本書は、政治家が国家の仕事であると言い張る分野—国防、開発、福祉、徴税などのイシューにおいても国家の権威は衰退し、一方では非国家的な権威との共有によって成り立ち、他方では権威を争う状況が生まれていると主張する。国家権威の全体的な衰退は、市場のパワーを強め、結果として、多国籍企業の権威も強くなる。もはや私企業によって統合されてきた非人格的な市場は国境を越え、国家は適切に管理出来ない。多国籍企業の経営者は、自らの意思決定が政治的価値配分に影響を与える時代がやって来たのだ。しかし、彼らが果たすべき責任はどこへ向けられるのだろうか? 本書の大きな仮説はこうだ。市場獲得競争への配慮から、国家による多国籍企業への各種優遇がもたらす帰結は、発揮される権威の影響に、誰も責任を負わない状況を生む。 本書は、既存の正統派の国際関係論に対する異議を唱えるものであり、国家以外のアクターが政治を行う現状を強く主張する。本書は、社会科学における通説的理論を問いなおし、見落とされてきた技術変化と(金融)市場経済、政治(パワー)の関係性を通して政治学における専門分化の殻を破ろうという挑戦の書である。1996年に初版が出され、2011年に再刊された本書の価値が増すことは間違いない。 【感想】 スーザンストレンジがもっともっと知られた学者になるよう願う。 超国家企業のカルテルや私的保護主義を政治学が扱わない(扱えない)知的怠慢の現状を強く批判。新しい国際政治経済学を構築するための土台を築こうとするための本に思える。通説的な社会科学では汲み取れない問題に立ち向かう。既存の学問に筆者が抱くももどかしさ…。1996年に書かれたという点で、女史の『暗闇の中の視力』に驚かざるを得ない。筆者の言うように、世界的な権威シフトの流れは、リーマンショック後の市場への国家介入のように政策によって緩やかに出来ても、市場の力が国家を翻弄するという変化の方向自体は現在も変わっていないようだ…
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