エネルギー維新 「フクシマ」後の戦略をデザインする B&Tブックス

福江一郎【著】

• 販売会社／発売会社: 日刊工業新聞社
• 発売年月日: 2011/10/27
• JAN: 9784526067730

商品レビュー

2022/11/16

東日本大震災の福島第一原発事故後のエネルギー展望を描いた本。電力事業関係に明るい筆者だけに、的確かつ堅実な現実分析、将来への議論が進む。
しかしながらその未来への提言は、現在のように脱炭素が先鋭化する前の著作でもあり、あくまで現実ベースの漸進案であって革新案ではないように感じた。豊富な経歴を持つ筆者でもこの結果かと思ってしまったが、技術に詳しいがゆえに手堅い（それでも簡単には実現しない）結論になるといった方がいいのかもしれない。

十分な根拠はなくとも夢物語を語る人のほうが強い時代には、どうしても立場が弱いが。

2012/11/30

　エネルギー問題が日本の国民レベルまで巻き込んで、これほど注目を浴びたことはかつてない。長年エネルギー産業に身を置き、国内、世界のビジネス最前線で戦ってきた著者は、この問題意識の高まりを大いに歓迎する。
　エネルギー問題の特性として、投資金額がたとえば通信インフラに比べると一桁大きく、何をするにしても政治、経済への影響が大きいことが挙げられる。けれども、グリーンイノベーションを達成した低炭素社会のほうが、国としての社会コストが小さく、早く到達した国が勝者となることは明らかだと、著者は本書で力説する。
　しかし一方で問題となるのは、グリーンイノベーションの実現には強い痛みが伴うことだ。「No Pain, No Gain」にどこまで耐えられるか。今、世界中で人々が試されている。

2012/01/19

震災後、同様の書籍を結構読んだが、本書には独自の視点や「そうなのか！」という指摘が色々あって面白い。
でも一番ビックリしたのは、アニメ由来の節電活動『ヤシマ作戦』を福江さんが出典も含めて御存知だったこと！（さすがに「エヴァンゲリオン」とまでは書いていなかったが）