あかねさす 新古今恋物語

加藤千恵【著】

• 販売会社／発売会社: 河出書房新社
• 発売年月日: 2011/10/21
• JAN: 9784309020686

商品レビュー

2025/01/26

何百、何千年経っても感情はきっと変わらないのだろうと思える。

新古今和歌集の歌を著者なりに解釈し、それに物語をつけた作品。
どの作品も短いので、軽い気持ちで読める。
また、どの作品も現代の内容なのでわかりやすく、読みやすい。
特に大河ドラマ「光る君へ」を見た後だからか、彰子の歌や紫式部の歌がより鮮やかに見えた。

特に「着馴らせと思ひしものを旅衣たつ日を知らずなりにけるかな（読人しらず」が、気付かぬうちに相手を好きになり、それが叶わない事がさりげない返信からわかってしまう様子が切なくてよかった。

2020/10/01

ある雑誌の、著名人や一般読者がオススメの本を紹介する特集で見かけて、読んでみたくなった本です。
新古今和歌集から20種の短歌を基に、物語と作者自身の短歌が書かれています。新古今和歌集は1000年近く前に書かれたものなのに、そこに詠まれている想いは、現代人と変わらないように思います。
ただ、新古今和歌集には悲恋や別離の歌が多い。美しい言葉で綴られた物語は、切なくて、儚くて、悲しかったです。

2018/10/17

短い中にきゅっと詰まっていて、すきだと感じたりハッとしたりするものが二十作品中三作品程あったけれど、読み終えたらわからなくなってしまった。儚い。わたしの問題とも思うけれど、融けてしまう雪みたい。淡さと不意に胸の奥まで届くところが良かった。著者の作品の雰囲気がすき。特に中高生目線の話は、良い意味でその年代の子が書いたみたいで、瑞々しいという言葉ではわざとらしく感じるくらい、自然。