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宮本武蔵 新装版 朝日時代小説文庫
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商品詳細
内容紹介 | 朝日新聞社1999年刊の新装版 |
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販売会社/発売会社 | 朝日新聞出版 |
発売年月日 | 2011/10/07 |
JAN | 9784022646255 |
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宮本武蔵 新装版
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宮本武蔵 新装版
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商品レビュー
4.2
14件のお客様レビュー
宮本武蔵を主人公とした歴史小説といえば、圧倒的に吉川英治のものが有名で、何度も映像化されているが、こちらは司馬遼太郎による作品だ。 文庫本で248pしかないので、さくっと読むことができる。 吉川英治の宮本武蔵ではお馴染みのお通は登場せず、ラブロマンスは一切ない。 宮本武蔵は...
宮本武蔵を主人公とした歴史小説といえば、圧倒的に吉川英治のものが有名で、何度も映像化されているが、こちらは司馬遼太郎による作品だ。 文庫本で248pしかないので、さくっと読むことができる。 吉川英治の宮本武蔵ではお馴染みのお通は登場せず、ラブロマンスは一切ない。 宮本武蔵は同年代の他の剣豪と比較し、圧倒的に教養があったとされている。『五輪書』という極めて理知的な文章を残したことで、頭一つ抜けた存在となったようだ。座禅や絵画、書へも興味を持ち、教養人だったことも、当時の武蔵の人気を高めたとされている。 その一方で、司馬史観では武蔵は武将へ栄達する想いが非常に強かった人物として描かれていた。直参となるべく、後半生に運動をする様は少々哀れに感じてしまった。 現代で例えるなら、発信力も教養もあるが、起業家にはなれない超凄腕のフリーランスといったイメージだろうか。
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若い頃に読んだ吉川英治版の宮本武蔵はフィクション色が強く期待はずれだったが、こちらの武蔵は史実に近い感じがする、人間くさい宮本武蔵。 決闘シーンもリアルで絵が浮かぶ。 短くも読み応えあり。
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司馬遼太郎が宮本武蔵という題材を一冊でどのようにまとめあげたのかに興味を引かれて読んだ。 武蔵の生誕地とされる作州を著者が訪れるささやかなルポに始まり、フィクションとしてはあまり取り上げられる機会の少ない巌流島以降も含め、生い立ちから死に至るまで宮本武蔵の生涯を描いている。全体...
司馬遼太郎が宮本武蔵という題材を一冊でどのようにまとめあげたのかに興味を引かれて読んだ。 武蔵の生誕地とされる作州を著者が訪れるささやかなルポに始まり、フィクションとしてはあまり取り上げられる機会の少ない巌流島以降も含め、生い立ちから死に至るまで宮本武蔵の生涯を描いている。全体としてそれほどページ数は多くないものの、若干13歳での決闘にはじまり、吉岡兄弟と一門、槍の宝蔵院、鎖鎌の宍戸梅軒、夢想権之助と、重要とされる試合には一通り触れられている。そして、有名な佐々木小次郎との巌流島決戦は、やはり本作でも最も重要なポイントとして位置付けられており、小次郎の来歴も含めて別格の扱いで重点的に取り上げられる。 剣術をあたかもスポーツのように捉えて剣速こそを絶対とする小次郎との対比や、大名に武蔵の評価について意見を求められた柳生兵庫助の言を借りて、彼の個性がどのようなものであったかについて著者なりの武蔵観を表現している。ほかの小説・ドラマ・漫画などで一般的になっている純粋な求道者のイメージとはズレがあり、戦いにおいては情報収集を怠らず現実的な判断を徹底し、場合によっては冷酷とも受け取れる人物像を採用しており、著者の筆致も淡々としている。 前述のとおり、分量は少ないものの小次郎に勝利した後に死没するまでの剣豪の行く末までを扱っている点も、本書の特色のひとつ。試合を断って以降、自身の華々しい名声を禄に変えようと非常識なまでに高い評価を有力者に求め士官に失敗する武蔵には、滑稽さとともに頂点を過ぎた英雄のもの哀しさを感じる。 求道者としての武蔵を描いてヒットした吉川英治について幾度か触れられるが、本書における武蔵の捉え方から、ここでは言及されていない坂口安吾の武蔵に関するエッセイを想起させられた。
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