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塔の中の女
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 講談社 |
| 発売年月日 | 2011/09/22 |
| JAN | 9784062172059 |
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塔の中の女
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商品レビュー
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ガラクタの寄せ集めでできた「公爵」が統治する国で、親友と別れ墓掘り人になっていた孤独な少年オレステスは、荒れ地の図書館で生き別れの姉を名乗るエレクトラに出会う。姉に養われながら本を読み耽るオレステスは、やがてエレクトラが長年計画を暖めてきた「復讐」の駒として、公爵がすむ城へ潜入す...
ガラクタの寄せ集めでできた「公爵」が統治する国で、親友と別れ墓掘り人になっていた孤独な少年オレステスは、荒れ地の図書館で生き別れの姉を名乗るエレクトラに出会う。姉に養われながら本を読み耽るオレステスは、やがてエレクトラが長年計画を暖めてきた「復讐」の駒として、公爵がすむ城へ潜入するのだった。 皆川博子先生が『辺境図書館』で紹介していたのを読んでからずっと気になっていた本。「エレクトラ・コンプレックス」の元になったギリシャ神話のエレクトラとオレステスの話を下敷きにしていて、〈塔の中の女〉はクリュタイムネストラにラプンツェルが重ねあわされている。 硬質でありながら軽くてユーモラスな語り口で、流されるままになかなかしぶとく生きていくオレステスのニブちん加減がなんとも言えない。エレクトラは復讐計画のことを何度も蒸し返してくるけどイマイチ真剣には思えないし、オレステスは城に入るまで本当にポケーッとしている。そもそも復讐の相手は母(クリュタイムネストラ)ではなく、転べばすぐバラバラになってしまう公爵なのだ。公爵は物語がなければ生を得ることはできない。だから、エレクトラが解体したいのは公爵ではなく物語だということだろう。「エレクトラ・コンプレックス」なんて不名誉な用語に名前を使われたことへの復讐なのかもしれない。 本書はオレステスが城に入る前の前半と城に入ってからの後半で読み味が異なる。前半は建付けこそギリシャ神話でファンタジーっぽくなっているが、それを剥ぎ取ったら普通のモラトリアム小説なところがちょっと面白い。エレクトラとの姉弟関係も昔の少女漫画のような甘美さがあり、一人っ子から見ると若干の気持ち悪さもある。城に入ると本格的に幻想小説らしくなってきて、次から次へととりとめがあるようなないようなイメージが書き連ねられていく。機械棟のあたりの話がジブリっぽくて、おばあちゃんたちが元気でかわいいので好き。 残念なのは塔のなかがあまり魅力的じゃなかったことと、〈塔の中の女〉が表すものの描き方が急に物語から浮かび上がって見えてしまったことかな。語り口とメッセージが微妙に上手く繫がっていなくて、その接続部がチラチラ目に入って気になっちゃう感じ。 あっさりと生き返ったエレクトラがイピゲネイアを連れて再登場してからは会話のやりとりが面白くなる。オレステスは本来トロイア戦争の戦後処理を全部引き受けてギリシャ神話を終わらせる役割を担ったキャラクターだけど、この小説はオープンエンド。ヘルミオネと再会しなかったのは驚いたけど、そりゃ再会しないほうが絶対いいからね。
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「おはなし」を壊すために書かれた話という感じ。人の夢をずっと覗いているような、特殊な感触が読んでいる最中も漂ってくる。
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言葉で遠くの地まで旅したような。 精緻に編み込まれた言葉の羅列から、鮮やかなイメージが浮かび上がる。 その力には感嘆。 が、「ものがたり」として面白いかというと、私にとっては疑問。
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