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葉桜
1,430円
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 集英社 |
| 発売年月日 | 2011/08/26 |
| JAN | 9784087714180 |
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葉桜
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商品レビュー
3.6
62件のお客様レビュー
橋本紡さんの『葉桜』を読み終えた。 ページを閉じた後も、しばらく余韻に浸っていた。 切なくも美しい青春小説だった。 物語の舞台と主人公 主人公は、書道教室に通う高校生の女の子だ。彼女の日常は、書道教室を往復する静かなリズムで流れている。 その教室には、彼女が密かに想いを寄...
橋本紡さんの『葉桜』を読み終えた。 ページを閉じた後も、しばらく余韻に浸っていた。 切なくも美しい青春小説だった。 物語の舞台と主人公 主人公は、書道教室に通う高校生の女の子だ。彼女の日常は、書道教室を往復する静かなリズムで流れている。 その教室には、彼女が密かに想いを寄せる先生がいる。 幼い頃から通い続けている書道教室。 最初は妹の影響で始めたのだ。 けれど今、彼女がこの教室に通い続ける理由は明確だ。週に何度か、先生に会える。それだけで彼女は十分だった。 隠された想い 先生は既婚者で、奥さんもいる。主人公は、自分でもよく分かっている。この恋が叶わないことを。けれど、それでも彼女は教室に通い続ける。 その感情を胸の奥深くに隠しながら。 その感情のために。 何年も、何年も。 彼女の書道への打ち込み方は真剣だ。それは先生への想いが動機になっているのかもしれない。 でも、長い年月をかけて磨かれた技術と感性は、もはや彼女自身のものになっている。動機がどうであれ、何かに真摯に向き合い、長く続けている人の姿には、独特の美しさがある。 私は主人公の姿に、そんな美しさを見た。そして、羨ましいとすら思った。 心揺さぶられたラストシーン 物語のクライマックス。主人公は詩歌を綴った書で、ついに先生に想いを伝える。 その場面の静謐な緊張感。墨の香り。筆が紙に触れる音まで聞こえてきそうだった。 そして先生も、詩歌を綴った書で応える。 言葉ではなく、書で交わされる告白と返答。このシーンが本当に美しくて、切なくて、私は何度も読み返してしまった。 先生からの返歌は、もちろん主人公の好意をやんわりと断るものだった。優しく、丁寧に、しかし明確に。それは予想されていた結末だったかもしれない。けれど、文字として、書として形になったとき、その想いと答えは永遠のものになった。 一区切りと新しい始まり 主人公が自分の感情に一区切りをつけたとき、不思議なことに、読んでいる私も、なんだか前を向ける気がした。 失恋の物語なのに、読後感は決して重くない。 むしろ清々しさすら感じる。それは主人公が、自分の感情と真正面から向き合い、それを美しい形で昇華させたからだろう。 叶わない恋だった。でも、その想いは確かに存在した。そして、その想いのために費やした時間や努力は、決して無駄ではなかった。 彼女は書の道を歩み続けた。その過程で得たものは、たとえ恋が実らなくても、彼女の人生の一部として残り続ける。 書を通して生きる人々 この物語に登場する人々は、殆どが書を通して人生を生きてきた人たちだ。 先生はもちろん、先生を取り巻く書道家たち。彼らは書という芸術に人生を捧げている。 ある者は、山の頂に辿り着けないと知りながらも山を登り続ける。 ある者は、いつか頂に辿り着けると信じて、一歩ずつ山道を進む。 完璧な書など存在しないのかもしれない。 どれほど練習しても、どれほど年月を重ねても、理想とする書には届かないのかもしれない。それでも彼らは筆を執り続ける。 切なくも美しい人間の姿 彼らの姿は切なくも美しい。 そして気づく。これは書道家だけの話ではない。 人間そのものが、切なくも美しい存在なのだ。 叶わないと分かっていても、誰かを想い続けること。 届かないと分かっていても、理想を追い続けること。 報われないと分かっていても、努力を続けること。 それは愚かなことだろうか。無駄なことだろうか。 いや、違う。その過程こそが、人間を人間たらしめているのだ。その切なさこそが、人間の美しさなのだ。 『葉桜』というタイトルに込められたもの 今、改めてタイトルを考える。『葉桜』。 桜の花が散った後、青々とした葉だけが残る季節。華やかさは失われても、確かな生命力が宿る時期。 主人公の恋もそうだったのかもしれない。花のような華やかな恋愛ではなく、葉のような静かで持続的な想い。そして花が散った後も、葉は残り続ける。 この物語を読み終えた今、私の心にも何かが残っている。それは感動という言葉では言い表せない、もっと静かで、でも確かな何かだ。 橋本紡さんの『葉桜』。切なくも美しい青春小説を、ぜひ多くの人に読んでほしいと思う。
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はあ〜〜〜っていうため息ともつかない思いが出る おもしろいお話でした 穏やかに流れている中で 時々ピリッとする
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書道教室に通う女子高生が主人公。この時期の潔癖な恋心をきちんと掬って描いている。そして安心できるホームとして家族がいるのも筆者らしい。
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