イザベラ・バードの山形路 「アルカディア街道」散策のススメ

渋谷光夫(著者)

• 販売会社／発売会社: 地方小出版流通センター
• 発売年月日: 2011/07/01
• JAN: 9784895445382

商品レビュー

2019/11/28

多くの山形県民はイザベラ･バードの名前と、140年ほど前に日本を旅したバードが置賜盆地を見て言った「東洋のアルカディア」の言葉を聞いたことがあると思う。様々なTV番組や行政用語にも登場している。
この本は、元山形県内の小学校の先生で、山形大学教職大学院の客員教授も務められた渋谷光夫先生の著書。
Ⅰ章は総論。バードの人柄や旅について多角的に論じられている。Ⅱ省は各論。当時実際にバードが通ったルート（置賜→村山→最上）を豊富な地図や画像で解説されている。ともに社会科の先生らしい疑問→分析と行動力でワクワクしながら読み進めた。

2011/08/11

高梨健吉著「日本奥地紀行」から始まり、イザベラ・バードに関する本はクマジィが持っているだけで７，８冊ある。
その中で最も最近出版されたのがこの渋谷本である。それも自費出版と聞いた。

まず今までのバード本と明らかに違うところは何と言っても写真や絵葉書がふんだんに使用されバードが日記や妹への手紙に書き示した当時の模様が手に取るように伝わってくる。
また明治１１年当時、彼女が手に持って旅したマップと最近のマップが比較されて掲載されているので初めて読む人には実に良く理解出来るようになっている。

僕らが２００７年と２００８年の二度にわたってイザベラ・バードが辿った山形路（約２００ｋｍ）をつい昨日のように思い出させてくれる。この本は山形県にとって当時の暮らしぶりが解る貴重な資料となること確実で、元気・まちネットとしても学校や観光協会などに機会を見つけてＰＲする責任がある。

今年は山形に「アルカディア街道Ｉ・Ｂ倶楽部」という会まで立ち上げることも出来た。
http://www.genki-machinet.com/contents/ib-club/index.html