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希望は絶望のど真ん中に 岩波新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2011/08/22 |
JAN | 9784004313236 |
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希望は絶望のど真ん中に
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希望は絶望のど真ん中に
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商品レビュー
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10件のお客様レビュー
この本には、著者が、ある一つのテーマを終生追い続けてきたことが明確に示されている。それは私たち日本人にとって、何となく終わったことにしているが、しかし、歴史の歩みを形作り未来へ引き継ぐ使命をもつ私たちにとって、はっきりとさせておかないことには、後の世に決定的な禍根を残すことになる...
この本には、著者が、ある一つのテーマを終生追い続けてきたことが明確に示されている。それは私たち日本人にとって、何となく終わったことにしているが、しかし、歴史の歩みを形作り未来へ引き継ぐ使命をもつ私たちにとって、はっきりとさせておかないことには、後の世に決定的な禍根を残すことになる、あのテーマ・・ 「あの敗戦時に日本国民が力を合わせて、自分らのやったこと戦争行為の一切をわが手で裁き、迷惑をかけたすべての人々にありったけの真心をこめて詫びて許しを請い、そして、自分らの進路を自分らの力で開拓したら…自分たちと人類みんなの真実の喜びに至る道を見たであろう。」 ここまで読んで「ああ、またか」と感じた人がいるだろう。また日本人に懺悔を強要し、謝罪させるのか、と。でも、読み進めればわかる。著者の発想は従来の議論を超えた、もっとスケールの大きなものだと。 著者は先の戦争から、もっともっと歴史のものさしを伸ばし、人類の歴史がはじまったと言われる七百万年前まで伸ばす。そして著者は、七百万年の歴史のなかで人類が戦争に手を染めたのは、農耕を始め富の蓄積が始まった五千年このかたに過ぎないと言う。「「人間ってやつは根っから争い好きで残酷だから戦争はなくせない」というマボロシ論を消滅させないといけません」 また著者は、その五千年の間にも、ある時点のある場所で、戦争とは無縁で平和な共同体が築かれていた事実に着目する。しかも日本で。著者の視線は、自分が住む秋田県と同じ東北の、青森県の三内丸山に向く。「三内丸山の先祖たちの住んだ跡地に闘争の痕跡は皆無だ。」 そして著者はこう言う。「みんなで力を合わせて努力できたら、いいに決まっているけれど、実際には空想だと思って誰も言わずやらずに来たのではないか」と。 中国、韓国、台湾、香港、フィリピン…多くの国と私たちの国とで、いろんな意見の相違から衝突し、軋轢を生じている。私たち日本人が残した戦争に関する歴史の染みに、どうしてゆけばいいのか。もう絶望しか見い出せないのか?だが「絶望と見える対象を嫌ったり恐れたりして目をつぶって、そこを去れば、もう決して希望と会えない。」と著者が言うとおり、事実にしっかりと目を向け、真摯に相手の話を聞き、おだやかに対話し、正直に向き合うことによって、希望は開かれるはず。85歳で胃ガン、92歳で肺ガンを奇蹟的に克服し、絶望から希望を見いだしこの本を書いた著者は、静かに、しかし力強く言う。 「でも、夢想的過ぎるんじゃないかなあ」と読了後少し迷いが生じていたころ、偶然ラジオから懐かしい曲が流れてきた。 “天国がないところを想像してごらん。やってみれば簡単さ・・”と、そのミュージシャンは静かに、しかし力強く歌っていた。 (2012/9/9)
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むのたけじ『希望は絶望のど真ん中に』岩波新書、読了。敗戦の日に戦争報道の責任を取り朝日新聞を退社した96歳のジャーナリストは、今日の世界をどう見据え、どう立ち向かっていくのか。百年近く世界を見てきた男が希望のあり方を自由闊達にかたる「人類宛のラブレター」。 著者は自身の生の来し方を、人類の歴史の過去と未来の中に位置づけ、現在を見つめる。最大の課題は戦争をなくすことだという。集団的自衛権公使容認がにわかに現実性を帯びる現在、戦争を当事者として経験した著者の指摘は重くうけとらなければならない。 「貧困と病気と戦争が人類の三大敵とされて久しいが、そのどれもが過去そのままの大敵ですな。三つを一緒くたにするのがおかしい。貧困と病気には社会の要因と個人の要因が重なる。戦争は違う。個人は戦争をやれない。やれるのは国家だけだ。個人たちは動員されて、命令されて、使用されて、そして犠牲を払うだけだ」。 希望はどこから立ち上がるのか。 いたずらに希望と絶望を対比しても始まらない。絶望すべきことに絶望することで希望との相互関係が見えてくる。みんなの課題にみんなで取り組み、足元から世界を耕すほかない。 「問題の本質をごまかしたり、すり替えたりしてはいけないよ。常に問題の本質と真っ正面から取り組んで、やるべきことをやり抜かないといけないよ、その努力を続ければ、きっと活路が拓ける」。このむのさんの言葉を心に刻みたい。 なお余談ながら、傑作ルポルタージュ『パンとペン』を著し53歳で無くなった黒岩比佐子さんとの出会いが収録されている。出会いから手紙でのやりとりまで。仕事をするには「いのちがけで」「死にもの狂いで」「いばるな」が大事と言葉を贈ったそうな。
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反骨のジャーナリスト、むのたけじさん。 終戦時、朝日新聞記者だったが、終戦の日、朝日を辞められた。 戦時中の朝日新聞の報道の在り方に対して、それが彼のケジメだった。 日本はこれまで、自ら敗戦のケジメを付けることなくここまで来てしまった。そのことを強く語っていらっしゃった。 現在9...
反骨のジャーナリスト、むのたけじさん。 終戦時、朝日新聞記者だったが、終戦の日、朝日を辞められた。 戦時中の朝日新聞の報道の在り方に対して、それが彼のケジメだった。 日本はこれまで、自ら敗戦のケジメを付けることなくここまで来てしまった。そのことを強く語っていらっしゃった。 現在98歳。今なお反骨のジャーナリストだ。
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