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Director's magazine 115
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 青幻舎 |
発売年月日 | 2007/09/01 |
JAN | 9784861521270 |
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Director's magazine 115
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【 葛西薫 】 文華印刷は、通過点だって最初から思ってました。 ここをいつか出るぞって、みんなやさしかったけど、 ここでいい気持ちになってはいけない、 絶対ここにながくいてはいけないぞって言い聞かせてました。 だから、ずっとレタリングの通信教育は続けていたんです。 文華印刷に...
【 葛西薫 】 文華印刷は、通過点だって最初から思ってました。 ここをいつか出るぞって、みんなやさしかったけど、 ここでいい気持ちになってはいけない、 絶対ここにながくいてはいけないぞって言い聞かせてました。 だから、ずっとレタリングの通信教育は続けていたんです。 文華印刷に2年いて、それから大谷デザイン研究所に入ったんです。 大谷デザイン研究所で3年間働きました。 サン・アドにかろうじてひっかかることができたのは、 準朝日広告賞をその一年前に取っていて、 略歴の中の受賞欄にその一行だけは書くことができたからだと思います。 つい最近わかったんですけど、のちに僕の上司になる河野俊二さんが 面接官の中にいて、『葛西は絶対いいから、俺のチームに欲しい』って 強く指名してくれたようです。 僕は手先が器用で、仕上げが良かったんですよ、デザインはダメでも。 サン・アドに入ったのは24歳のときでした。 あまりにもすごい人間たちの集まりで。 仕事の話なんかほとんどしない。 デザインの話をしないわけじゃないけれど、 遊びの話ばっかりなんですよ。 映画の話、小説競馬の話、麻雀の話、ね。 遊びの精神に満ちあふれていて、教養もあるし、業界外のこともよく知っている。 どうしようもなく忙しい時は、中畑さんと プレゼンテーションの一時間前に喫茶店で会って、 ものすごく集中してコピーとデザインを考えて、 それがそのまま形になるというようなこともたくさんありました。 サントリーの「アイ ラブ ユー」以来 だんだん自分の中で取捨選択がはっきりしてきました。 表現において正解はわからないんですが、 なんか違うなというのはわかる。 普段の生活の中でも、いやだなって思うことってたくさんありますよね。 急に大声でしゃべられたり、言うべき時に言わないでいる人とか。 それと同じで、広告だって、「なんでいまこうなの?」って感じることがあるわけです。 自分でつくってても、「あれ、これは見る側を思うといやだな」というようなことたくさんあるわけです。 それを外していくんです。 根拠はまったく個人的な理由だけど、僕と同じ考えの人は絶対いるはずだと。 そこに向かって考えてみるってことです。 藤井保さんとは1982年に、上田義彦さんとは1985年に出会いました。 若い頃はただ写真を「お願い」していたんですが、 この頃から写真家と一緒に「見つける」という感じで 仕事をするようになったと思います。 いまは「デザインに至までをデザインすること」にすごくやりがいを感じています。 意識のデザインだったり表層のデザインの「次」が待っている気がするんです。 親に東京でデザイナーになることを反対されたときに言われた、 『感覚というものは年を取ると鈍くなるものだ。 だからデザイナーという職業は将来がおぼつかない』 って言葉がずっと焼き付いているんです。 ところがですね、先輩たちを見てても、 年を取るほど開いていっているんですよね。自由になっているんです。 今思えば、若い頃は自分で勝手に解釈して閉じこもっていたのが、 知らないうちに捕われなくなってきて、いろんなことから解放されてきたんでしょうね。 だから、いま僕には、もっと世の中の役に立ちたいという思いと、 もっと自分を解放してあげたいという思いの両方があるんです。
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