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消された時間 ハヤカワ・ミステリ文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 1987/09/30 |
JAN | 9784150731014 |
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商品レビュー
2.6
5件のお客様レビュー
バリンジャーといえば「歯と爪」が有名だけれど先にややマイナーなこちらを読む。古い海外ミステリーにしては読みやすいし、謎も悪くない。ちょっとご都合主義かなと思うところはある(実際に評価が分かれている部分ではある)し、感情が希薄で淡々としたハードボイルド調の主人公は好き嫌いがでるとこ...
バリンジャーといえば「歯と爪」が有名だけれど先にややマイナーなこちらを読む。古い海外ミステリーにしては読みやすいし、謎も悪くない。ちょっとご都合主義かなと思うところはある(実際に評価が分かれている部分ではある)し、感情が希薄で淡々としたハードボイルド調の主人公は好き嫌いがでるところだろう。 古典であることの弊害で今では意外性だけでは評価されにくいので(もはや使い古されたネタになっていることが多い)ストーリー的に薄味な本作はそこそこのミステリー好きでなければわざわざ読まないだろうなあと思う(古本か図書館でしか手に入らないということはそういうことなんだろう)
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昔の字の小さい文庫本苦手なのに読んでしまった。殺人事件捜査の検死報告が上がってくるのに時間がかかったこともあり途中までまた息を吹き返したという展開になるのかと思ってしまった。ウェインライトが同一人物ということはローズマリーの反応や消えた時期などから分かりやすかったが、サンティーニの柄が悪すぎて偽刑事だと思い込んだので終盤に本物の刑事と判明して驚いた。最後の最後に死の商人で奴隷売買組織の首領という悪の権化-ロンメル将軍より年長の元上司?に命を賭して対峙する(その瞬間が原題のthe longest secondなのだろう)以外は冷めた虚無的な主人公で、この著者の本に多いひたむきな人物像はビアンカぐらい。アラビア語が多少わかるとすぐ気づいたのにドイツ語がペラペラだと気づくきっかけなかったのか。というか自分にとって英語が外国語だと言う感覚はなかったのか?後にこの手の話が結構沢山出たと聞くが、1980年代のオカルトテイストの映画「エンゼルハート」を思い出した。バリンジャーは切なさが持ち味の作家だと思うが、この作品はその辺が薄めだった(最後になって正義感に目覚め勝ち目のない勝負に挑むところが感動的なのだがあまりに一瞬過ぎる)ので、12年後に多少似た構造のスパイ小説「歪められた男」を執筆したのかな。
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首を切られて瀕死の状態で発見された記憶喪失の男の一人称と、捜査にあたる警察の三人称が交互に描かれる。一方では生き残って自分の過去を探り、もう一方では殺されて捜査の対象となっている。 似た人間を身代わりにして同じ状況で殺人を犯したのか、時間的に開きがあるかと感じた。これを超えるような驚きがあると思ったが、実際にはそれほどでもなかった。最後の一文は意外性というよりも皮肉なものだった。 バリンジャーの作品は技巧的ではあるが意外性、驚きを期待すると肩透かしにあう。
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