商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2011/06/28 |
JAN | 9784087467123 |
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商品レビュー
3.5
4件のお客様レビュー
短編小説五編を収録しています。 「文庫版のあとがき」によると、本書は『生きる歓び』『つばめの来る日』『蝶のゆくえ』につづく作品で、本書を含むこれらの短編集では「バブルがはじけた後の騒々しい焼け跡のような時代の中から「寂しさ」を拾い出そう」というねらいで書かれたものです。とくに本...
短編小説五編を収録しています。 「文庫版のあとがき」によると、本書は『生きる歓び』『つばめの来る日』『蝶のゆくえ』につづく作品で、本書を含むこれらの短編集では「バブルがはじけた後の騒々しい焼け跡のような時代の中から「寂しさ」を拾い出そう」というねらいで書かれたものです。とくに本書では、「自分で見ることが出来ない男の背中」をえがくことがめざされており、このことは「男の根本にある不透明さ、曖昧さ」と言い換えられています。 前作『蝶のゆくえ』と同様、ストーリーのなかで登場人物たちの心情がたどるプロセスについて著者がくどいほどに説明を加えるというスタイルが採用されています。著者は、「百人分くらいの寂しさを集めないと、今の世の中って分かんないしな」と語っており、それぞれの登場人物の「寂しさ」を生む条件が明確に位置づけられていて、著者の分析的な知性がいかんなく発揮されている作品という印象です。 ただ、『蝶のゆくえ』を読んだときにも感じたのですが、著者が登場人物たちの設定と心理的プロセスを完全にコントロールして、彼らの配置によって「寂しさ」の諸相が生み出されるという構成は、小説としては破綻しかかっているのではないかという感想もいだいてしまいました。
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女の側からの視点で、男の背中を描いた短篇集。女性の側の心理がわからなくては、この小説群は書けないです。そして、愛憎が絡んでいるから、なお、難しい表現なのでは?と思ってしまいますが、著者の橋本さんはそんな苦労を一言もあとがきで発していない。やっぱりこの小説を書いた50代の半ばになっ...
女の側からの視点で、男の背中を描いた短篇集。女性の側の心理がわからなくては、この小説群は書けないです。そして、愛憎が絡んでいるから、なお、難しい表現なのでは?と思ってしまいますが、著者の橋本さんはそんな苦労を一言もあとがきで発していない。やっぱりこの小説を書いた50代の半ばになって、わかることなのか、それとももっと若いころから「わかっていた」ことなのか。知りたいのはそのあたりでしたが、ようわかりまへん。橋本さんは若い頃に『恋愛論』という本も書かれていて、ぼくの本棚ににもたぶん復刻版なのかな、それが積読になっています。それを読めば、この謎は解き明かされるような気がする。つまり、若いころからもう女性の心理は喝破していた、という。
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違う男の話が一人の男の話に思えるのはなぜか、違う女の話が一人の女に重なることはあるのか。と思う私の中にも夜の曖昧さの中は心地良いかもしれないと思う気持ちがある。
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